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「正しさより納得感」──ベストクオリティ賞受賞者が語る信頼関係の築き方・江本 知弘さん

「正しさより納得感」──ベストクオリティ賞受賞者が語る信頼関係の築き方・江本 知弘さん

地方銀行を経て、2019年4月に日本M&Aセンターに入社した証券提携二部 江本 知弘さん。2022年度上半期と2025年度に、日本M&Aセンター社員でその年に顧客アンケートの回収件数、点数が高く、法務部への提出書類に関して評価が最も高かった社員に贈られる「ベストクオリティ賞」を受賞しています。江本さんに、お客様対応で大切にしていることや高い品質を維持する秘訣を聞きました。

※所属・肩書等は取材当時。

お客様を「自分の親」だと思って接し、本気度を伝える

―受賞おめでとうございます!率直な気持ちを教えてください。

率直にありがたいなという気持ちです。ただ、この賞は私一人で受賞できたものではなく、案件に関わっていただいたカウンターパートの方々や、マッチングをしてくださった方々、上司やスタッフの皆さんのサポートがあって得られた結果です。そうした積み重ねでお客様にご満足いただけたのだと感じています。評価いただけたことは嬉しいですが、それ以上に、これからも1件1件丁寧に向き合っていきたいという気持ちの方が大きいですね。

―お客様への対応で特に大切にされていることはなんでしょうか。

大きく4つあります。その中でも一番大切にしているのは、「お客様を自分の親だと思って接する」ことです。もしお客様が自分の親だったらどういうアドバイスをするか、どう伝えれば納得してもらえるかを常に考えています。そうすると、自然とこちらの本気度も伝わる気がします。

2つ目は、複数ある選択肢の中で「何が最適かは一つではない」と考えることです。一般的に見れば合理的で正しい選択肢があったとしても、それがお客様にとってベストとは限りません。お客様の立場や背景、これまでの経緯によって最適な答えは変わるものだと思っています。そのため、ロジックの正確さだけで判断するのではなく、意思決定者の考え方や状況を踏まえながら、どう伝えるべきかを意識しています。

3つ目は、期待値のマネジメントです。何をいつまでにどのレベルで提供するのかを事前にしっかりお客様と擦り合わせることで、認識のズレを防ぐようにしています。同じアウトプットでも期待値とのギャップがあると評価は変わってしまうので、そこは特に意識しています。

最後は、スピードです。スピードも品質の一部で、完璧なものを用意してから出すのではなく、ある程度の完成度で早く共有して、一緒に最適化していくという進め方を心掛けています。

対面でのコミュニケーションで保ち続ける高品質

―受賞にあたっては、特に法務部からの評価が高かったと伺っていますが、専門部署との連携で意識していることは何でしょうか。

まず、できるだけ対面でコミュニケーションを取るようにしています。チャットや電話だとニュアンスや細かい背景が伝わらないことがあり、タイムラグも生じるので、可能な限り直接話をしに行くようにしています。

また相談する際は、単に質問をするのではなく、自分なりに論点を整理してから臨むことを意識しています。何が論点で、どこにリスクがあり、自分はどう考えているのかまで整理した上で相談することで、ディール全体の質も上がりますし、自分自身の理解も深まります。

―安定して高い品質を維持されている秘訣を教えてください。

特別なことをしているわけではなく、当たり前のことを積み重ねることが大切だと思っています。例えば、資料は作成してすぐに出さず、一度時間を置いてから見直すようにしています。時間を置いて見ると、説明のズレやミスに気づくことが多いので、必ず見直してから提出します。

そして、違和感をそのままにしないことも重要です。お客様との会話の中で、少しでも気になる表情や反応があれば、その場で確認するようにしています。触れにくい部分ほど後々大きな問題になることがあるので、小さいうちに解消しておく必要があります。

―これまでに経験した印象に残っている失敗はありますか。

入社当初、資料の誤字や細かいミスをお客様から指摘されたことがあります。「こういうミスがあるだけで資料の価値は大きく下がる」と言われ、その通りだと感じました。M&Aは数千万円の手数料をいただく仕事なので、その価値に見合ったクオリティでなければいけないと強く認識しました。この経験があってから、細部まで意識するようになりました。

ベランダでの家庭菜園が気分転換

―ご自身の強みはどのような点だとお考えですか。

強みは、物事をそのまま受け取らずに考える癖だと思います。お客様の発言に関しても、それが本心なのか、その背景に何があるのかを考えるようにしています。M&Aでは表面的な発言と本音が異なることも多いので、その読み違いがディールに影響することもあります。そういった意味で、一度疑ってみるという姿勢は自分の強みだと感じています。

―お忙しい中でのリフレッシュ方法について教えてください。

最近はベランダで家庭菜園をするのが息抜きになっています。プチトマトやバジル、ローズマリー、パセリ、唐辛子などを育てています。もともとは妻が料理で使うことが多かったので、自分で育ててみようと思ったのがきっかけですが、実際に育てたものを料理に使ってもらえるのは嬉しいですし、植物の成長を見る時間はいい気分転換になります。仕事とは全く違うことに集中できるので、頭のリセットにもなっています。

―最後に、今後の目標について教えてください。

引き続き1件1件のクオリティを落とさずにお客様と向き合っていきたいです。その上で、自分のやり方を再現性のあるものにしていきたいです。現在はグループリーダーとしてチームを持っているので、個人だけでなく、チームとして高品質なディールを実行できる状態をつくりたいですし、それが結果的に会社全体の価値向上にもつながると信じています。

プロフィール
日本M&Aセンター 証券提携二部
江本 知弘(えもと・ともひろ)
1987年生まれ、静岡県出身。
学習院大学卒業後、地元の静岡銀行にて法人営業に従事し、融資業務に加え、経営課題に対するソリューション提供を推進。また、大手銀行香港支店への出向を通じ、海外業務にも携わる。2019年4月に日本M&Aセンター入社。現在は大手証券会社との協業領域において、譲渡企業のM&A支援に従事し多数の案件をリード。
趣味はゴルフ。休日には朝食づくりやベランダ菜園(バジル・ミニトマト・大葉等)も楽しんでいる。