
2025年10月10日、那覇市内で「おきぎんサクセスパートナーズ設立記念事業承継・M&Aセミナー」が開催されました。おきぎんサクセスパートナーズは、2025年7月に沖縄銀行と日本M&Aセンターホールディングスが合弁で設立した事業承継・M&A支援の専門会社で、県内の事業承継に関する課題の解決や地域経済の持続的成長を支援しています。
ノボテル沖縄那覇で開催されたセミナーには県内の経営者などを中心に200名近くの参加者が集まりました。沖縄県を取り巻く事業承継の課題にフォーカスするとともに、M&Aを経験した地元の識名酒造、南島酒販のオーナーも登壇し、事業承継の経緯や当時の心境などを語りました。
沖縄県は、高齢化に伴い全国有数の後継者不在率の高さが課題となっています。徐々に後継者不在率は低下してきているものの、依然として多くの企業が事業継続の難しさを抱えており、M&Aはその解決策の一つとして注目されています。
日本M&Aセンターホールディングス 三宅 卓社長は、沖縄の後継者不在率が全国平均を上回り、休廃業・解散件数は前年比約16%増加していることを指摘。自身の経営者としての体験もふまえながら参加者にアドバイスをおくりました。

M&A経験談では、2025年2月にM&Aが成立した泡盛製造の識名酒造(譲渡企業) 代表取締役の識名 研二社長と、南島酒販(譲受け企業)の大岩 健太郎社長が登壇。おきぎんサクセスパートナーズ 新垣 雄之取締役によるファシリテーションのもと、事業承継に至った背景やM&A交渉のプロセス、今後の展望について語りました。
識名社長は、1918年に創業した泡盛製造を譲渡した理由について、「コロナ禍で業績が悪化し、家族に相談するなどしていろいろ悩んだ。廃業も考えたが、100年以上続く酒造の4代目として、廃業はさびしく先代に申し訳ないという思いがあった」と当時の心境を振り返り、沖縄銀行と日本M&Aセンターの話を聞いてみることにしたといいます。
M&Aを支援した新垣取締役は当時を振り返り「識名社長とは3年前から事業承継の話を少しずつさせていただいていた」「廃業させてはならないという想いがあり、M&Aをご提案させていただいた」と述べました。
また、識名社長は現在について、「M&Aをして半年で、まだ葛藤と不安がすごく大きい。不安が払拭されるのは先だと思うが、いい方向には向いてきている。次このように話す機会があれば、そのときは感謝に変わっていると思う」と心情を吐露しました。
大岩社長は、卸売業が伝統ある泡盛製造業を譲り受ける重みについて当初は懸念もあったとしながら、「首里の識名酒造はよく知っている名門の酒蔵。話を聞いてすぐに譲り受けることを決めた。即決だった」「(識名社長の)息子さんがこの先も一緒にやってくれるということで、心強かった」と述べ、「来年は首里城の再建もある。観光客の皆さんが気軽に立ち寄れるような酒蔵にしたい」と意気込みを語りました。
新垣取締役は事業承継M&A成功のポイントとして、下記を挙げました。

おきぎんサクセスパートナーズ 上地 龍太社長は、同社設立の経緯について、沖縄銀行が培ってきたネットワークと信頼、日本M&Aセンターの実績と情報収集力、スキルを掛け合わせることがベストだと考えたと説明。同社 益田 直輝副社長は、社名の由来について「お客様の成功、サクセスに伴走するパートナーとして寄り添っていきたい」と想いを述べました。
最後に上地社長は、「今日はセミナーに沖縄銀行の支店長も多数参加しているが、我々はM&Aシニアエキスパート資格を全国で一番持っている銀行」だとし、「経営者の皆様の想いを受け止め、大切に築かれてきた事業を引き継ぎ、未来にバトンを渡すお手伝いをさせていただきたい」と締めくくりました。


おきぎんサクセスパートナーズは今後も、県内の事業承継に関する課題の解決や地域経済の持続的成長を支援していきます。
おきぎんサクセスパートナーズ
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