
日本政策金融公庫で8年半にわたり中小企業支援に携わったのち、M&A仲介会社を経てバトンズへ入社。現在はM&Aコンサルティンググループで売り手様の支援を担当し、直近ではMVPを受賞。育児をしながら成果を出し続けるその原動力と、バトンズでの仕事や働き方について話を聞きました。
※こちらのインタビューは2026年8月14日時点のものです。現在の配属・業務内容とは異なる可能性があります。
新卒で日本政策金融公庫に入社しました。もともと数字に関わることが好きで経済学部で学んでいたこともあり、「数字を扱いながら、人と接する仕事がしたい」と思い金融機関をメインに就職活動をしました。大手銀行から地元の金融機関や中心に受けていたのですが、社会的な意義の大きさと、やりがいの両方を感じられそうだと思い、日本政策金融公庫への入社を決めました。
日本政策金融公庫では、預金は扱わず融資のみを行っているのが特徴です。国のお金を貸し出し、利息収入を得るという仕組みで、全国に支店があります。仕事の中心は融資審査で、お客様から相談をいただき、決算書などをもとにヒアリングをしながら、返済の見込みを踏まえて契約に結びつけていくという内容でした。
また「セーフティーネット」としての役割も担っていました。新型コロナウイルスの影響で経営が厳しくなった飲食店などに対して、民間の銀行では貸し倒れのリスクを懸念して融資が難しい場面でも、最優先で融資を実施していました。震災の際も同様に、通常であれば返済リスクが高いと判断されるような状況でも、資金を必要とする事業者を支える役割を担っています。また創業や事業再生、海外展開といった、民間の銀行では貸し出しに慎重にならざるを得ないような場面でも、金利を抑えて融資を行なっていました。
新型コロナウイルスが拡大した時期は、本当に大変でした。毎日残業をして、休日も出勤しないと業務が追いつかないような状況で、お客様からの連絡も通常の数倍という状況が続きました。自分の会社が潰れてしまうかもしれないというお客様からの切実なご連絡も多く、対応が遅いと厳しいお声をいただくこともありました。
ただ、社内にはもともと社会的意義の大きい仕事がしたいという人たちが集まっていたので、「大変だ」というよりも「今働かなくてどうする」という高いモチベーションで皆が動いていたのを覚えています。国から飲食店への補助金制度もありましたが給付には時間がかかるため、それまでの資金繰りを率先して支えなければならないという使命感があり、大変ですがやりがいを持って働けた期間として印象に残っています。

ワークライフバランスの観点から転職をしようと考えました。金融機関だとどこでもあるとは思いますが、3年に一度程度は異動があり全国の支店に転勤となる可能性があります。子どもが生まれてから数年は家族と一緒にいられる特例もあるのですが、それ以降は転勤のたびに子どもが転校になってしまうか、自分が単身赴任をするかという選択が必要になってしまいます。
子どもが生まれて働く時間はもう少し抑えたいという気持ちもあり、希望の働き方と中小企業を支える仕事には従事し続けたいという軸から、前職のM&A仲介会社に入社しました。
入社当日に「小規模事業者向けのM&A支援事業を立ち上げたいので、その推進を担ってほしい」と言われました。入社前は金融機関様と連携して実施していた「後継者育成塾」を担当すると聞いていたいので、戸惑いはあったのですが、もともと中小企業支援をライフワークにしたいという思いがあり、手段へのこだわりは強くなかったので、そちらも引き受けることになりました。
結果として、M&A業務の小規模M&Aを推進するために金融機関へ営業を行い案件を紹介してもらうことと、金融機関と連携して行っていた「後継者育成塾」の講師という二つの業務を行なうことになりました。
信用金庫様や地方銀行様などと連携し、後継者として社内外に認識されている方々に向けて、数ヵ月にわたり月1回集まっていただく形式の塾です。最初に経営理念をきちんと考えられているかという全体的なテーマを扱い、その後、国が公開している経営デザインシートを使いながら、「自分は何を目指したいのか」から今後の戦略までをグループワークで落とし込んでいく内容です。参加されるのは、数年後に会社を継ぐことが決まっている方が中心で、親子で承継について具体的なコミュニケーションを取っている方も多くいらっしゃいました。
もともと大きな規模の案件を中心に扱う会社でしたが、後継者育成塾を通じてお付き合いのある信用金庫との関係を生かせば、小規模の案件にも取り組めるのではないかという考えから、私が入社したタイミングで小規模M&A事業がスタートしました。
案件の規模が大きくても小さくても、対応する業務量自体はそれほど変わらない一方で、手数料は少なくなってしまいます。バトンズのようにテクノロジーを活用した仕組みを相当うまく構築するか、強い人的なつながりがない限り、成約に持っていくのは簡単ではありませんでした。結果として、会社としてこの事業は撤退するという経営判断が下されました。自分としてはもっとこの分野に携わっていたいという思いがあり、転職を考えるきっかけのひとつになりました。
前職のM&A仲介会社で在職中から、バトンズは利用していました。小規模M&Aを推進する立場としては、こうしたプラットフォームを活用しなければ立ち行かないと感じていたので、社内でも一番バトンズを使っていたのが自分でした。実際に使ってみると、マッチングの精度も機能面も非常に優れているという印象を持ちましたし、外から見ていても会社として成長している様子が伝わってきました。この分野で生き残っていけるのは、こうしたビジネスモデルを構築できる会社だけだろうと感じていたことも、転職の後押しになりました。
正直なところ、思っていたよりも忙しいというのが率直な印象でした。それだけ多くのお客様からご相談をいただいているということでもあり、外から見ていた以上に会社として成長している段階にあるのだと感じています。事業規模やご相談件数、市場シェアといった面で、これからさらに伸びていく余地があるとも感じました。
売り手企業様の会社を譲渡したいというご希望に寄り添う仕事をしています。具体的には、お客様の情報をヒアリングして買い手様に向けた提案資料にまとめること、交渉のサポート、そして契約書草案の作成などが業務です。
ある商材を海外に輸出している商社様だったのですが、輸出先の国の規制について調べても、過去に規制対象となった事実があるのかどうか、インターネット上の情報だけでは判然としない状況でした。実務上は問題なく販売を続けているという状況ではあったのですが、買い手企業様からすると気になる点です。
売り手企業様としては「今も普通に販売できているのだから、わざわざ伝える必要はないのでは」というお考えもありましたが、コンサルタントとして、この点をきちんとお伝えしないわけにはいかない、万が一、譲渡後にリスクが顕在化した場合、買い手企業様はもちろん、売り手企業様にとっても損害賠償請求など双方望んでいない結果になりかねないことを、強くお話し開示することにご納得いただきました。開示した直後は売り手様もご不安に思っていたと思いますが、買い手企業様はそのリスクを理解した上で成約に至りました。
最終的に売り手企業様から「いろいろ言ってしまって申し訳なかった、本当にありがとう」という言葉をいただけたことは、今も強く印象に残っています。すべてを開示せずに後から情報が出てくるよりも、先にリスクをお伝えして安心していただきながら進める方が、結果的に話は前に進むのだと実感した出来事でした。
今年の5月に第二子が生まれ、育児休業も取得しました。休むことに対して会社から何か言われることは全くなく、むしろ「休めるだけ休んでほしい」と後押ししてもらえる環境です。ただ、案件を担当していると休んでいる間にも連絡が入ってきてしまうので、担当を丸ごと引き継いで休むか、少しずつ休みを取りながら両立するか、自分で選べるようになっているのはありがたいと思っています。
M&Aの仕事は、成約までに半年ほどかかることも珍しくなく、数ヵ月に渡りひとつの案件に携わります。そのため頭の中に案件のことがずっと残ってしまいがちで、メンタル面での負荷は決して小さくありません。加えて、数十件の案件を並行して担当していると、優先順位を見失いそうになることもあります。
そこで、日々の業務や商談の内容をすべて可視化するタスク管理シートを自分なりに作成し、運用しています。前日の夜に翌日やるべきことを整理しておくことで、伝えるべき内容を忘れても抜け漏れが出ないようにしています。また、成約までに半年かかることを踏まえ、四半期の前に前倒しで動くようにしています。自分なりのセルフマネジメントを徹底することで、成果を出しながら業務時間を抑えることを両立させられていると感じています。
フラットで元気な会社だと感じています。役職や年齢をあまり気にせず、成果を出せば正当に評価してもらえますし、成果が出ていないからといって厳しく詰められるような文化もありません。むしろ、みんなが成果を出すために何ができるかを真剣に考えている、良い文化のある会社だと思います。
所属しているチームリーダーも良い意味で体育会系な雰囲気を持ちつつも、メンバーに対しては優しすぎるのではと思うくらい配慮のある方で、心理的安全性が高くみんなが率直に意見を言い合えるチームです。
前職の頃から変わらず大切にしているのは、社会的な意義や全体最適という視点です。「この仕事にはどんな意味があるのか」「自分の能力を生かしてやるべき仕事なのか」ということは、常に意識しています。
M&Aや中小企業支援という分野は、労働集約的になりがちで、決して簡単に大きく稼げる分野ではありません。だからこそ、経済的なメリットよりも、やりがいや意義を感じて働く人でなければ続けられない仕事だとも思っています。バトンズで働いている人たちは、そうした意義をきちんと持って仕事に向き合っている人が多いですし、会社としてのビジョンを誰もが自分の言葉で語れる。そうした環境で働けていることに、やりがいを感じています。
特別なことはしていないのですが、5月には第二子も生まれ、家族と過ごす時間が一番の癒やしです。近くの商業施設に出かけて、家族みんなで美味しいものを食べる。そんな何気ない時間を大切にしています。

BATONZ noteより転載
「リスクは隠さず、誠実に向き合う」。政府系金融機関からM&A業界へ、育児と両立しながら成果を出し続ける。




