• People
  • 650名の営業組織トップが語るマネジメントの極意とは

650名の営業組織トップが語るマネジメントの極意とは

この記事の目次

650名の営業組織トップが語るマネジメントの極意とは

日本M&Aセンターの社内報で展開しているシリーズ「レジェンドに聞く」 。今回は、札幌営業所や福岡営業所の立ち上げなどで実績を残し、現在は日本M&Aセンター 専務取締役 営業本部長として、650名のM&Aコンサルタントの指揮を執る鈴木 康之さんです。役員でありながら、社員からも「康之さん」と呼ばれ親しまれる鈴木営業本部長に、マネジメントについての考え方や日頃感じている仕事・社員への想いについて聞きました。

会社に来るのが楽しくなるように“寄り添うマネジメント”で社員と向き合う

―営業本部には約650名いますが、鈴木営業本部長は、入社歴に関わらず社員1人1人のことをよくご存じですよね。

時間があれば1人1人と話す機会を持つようにしているからですかね。なぜそうしているかというと、私の考える組織論では、社長がやりたいことを実現するのが専務である私の仕事だからです。つまり社長がこういう方向性で行きたいと発信したならば、それを実現するために、営業本部のトップとして現場社員のかじ取りを担う必要があります。できるだけ多くの社員に同じ方向を向いてもらえるよう、社員と会話する時間を取り、1人1人のことを理解することが組織を動かしていく上では重要です。時間はかかりますが、心と心が繋がったコミュニケーションを取るよう心がけています。

-マネジメントする上で大切にしていることはありますか。

「相手の気持ち」を考えることを最も大切にしています。これまでの経験上、トラブルやミスが起きるときは、仕事や家庭のことで悩みがあるなど、複雑な心境が背景にある場合があります。そんなときに頭ごなしに指導しても相手には響きません。相手の話を聞き、寄り添いながらアドバイスするようにしています。知識やコミュニケーション力も大切ですが、まず相手の心を理解することが重要だと思っています。

―そう思うようになったきっかけはありますか。

もともと人の気持ちを考えるのが好きな方ですが、私が初めて部長になったときの経験が影響しているかもしれません。当時主に譲受け企業を担当する法人部で、現在代表取締役の竹内 直樹社長が法人1部、私が法人2部の部長でした。そのときに部のメンバー全員の気持ちを汲むことで、絆が生まれ、結果が出るようになりました。とても良いチームになったと思っています。この経験がきっかけで、マネジメントする上での絆の重要性を学びました。

-M&Aの仕事の魅力はどんなところにありますか。

やはり、会社を成長させるお手伝いができることは非常に面白くやりがいを感じます。雇用を守ることで人助けもできます。そして地方創生も実現できます。その魅力は本当に大きいですね。
M&Aは世の中のビジネスの縮図。さまざまな企業の特徴や歴史をみることができます。会社のビジョンを考え、成長戦略を提案する、難易度は高いですが最高の仕事だと感じています。

-鈴木営業本部長が考えるM&Aコンサルタントに必要な能力や心構えは何でしょうか。

譲渡企業も譲受け企業も、M&Aを通じて幸せになれるよう導いていける人が素晴らしいM&Aコンサルタントだと思います。自身の売上や会社の業績よりももっと重要なことは、いかにしてM&Aを通じてお客様をより良い正しい方向に支援していけるか、仕事の目的を忘れず、しっかり状況を見極めて行動することです。成約後に関係者全員がハッピーになるようなM&Aを実現し続ける、そんなM&Aコンサルタントを私は育てていきたいです。

―営業本部長になった今でもお客様を訪問する機会は多いですか。

もちろんお客様のもとに同行することもありますし、提携させていただいている会計事務所や金融機関などのネットワーク先にも積極的に訪問しています。私は人と話をすることがとにかく好きで、今後はもっともっと現場に行きたいと思っています。

苦手なことは得意な人に助けてもらい、チームで戦う

―苦手なことはあるのでしょうか。

ロジカルに考えるのは得意ではないです(笑)。もちろんビジネスをする上では大切なことなのですが、私はとりあえずやってみよう、失敗したら方法を変えて、またさらにトライしようと直感で動くタイプです。そのため数字に強く目標や計画を立てロジカルに考えられる人にいつも助けてもらっています。「苦手なことがあれば得意な人に助けてもらえばいい。」私は常にビジネスをする上ではこのことを大切にしています。よく多様性が大事だといわれますが、まさにこれで、チームを組んでそれぞれが得意な分野を活かして戦えばビジネスでは最強だと思っています。

-若手社員と関わる機会も多いかと思いますが、昔と比べて変化を感じることはありますか。

社員との合宿を週に1、2回行っているので、相談を受けることもたくさんあります。今はM&Aがスタンダードな世の中になっているので、コンサルタントにはこれまで以上に個人のビジネスパーソンとしての資質とセンスが必要です。逆に言えば、個人のスキルを上げるいいチャンスとも言えます。業界が大きく変化・発展している時代だからこそ、若い社員にとっては自己成長ができるチャンスがありますし、個人の努力次第で、より大きく羽ばたくことができます。もっともっと今後社員がワクワクする環境を作っていきたいですね。

-今後日本M&Aセンターグループをどういう組織にしていきたいですか。

全社員が自ら描いたビジョンを実現できるような環境を整えたいです。私はいつも、社員がどうすれば幸せになれるのかを考えています。やりたい仕事ができるように企画の予算がほしいとか、働きやすくしてほしいとか、幸せの定義は人それぞれですが、一人でも多くの社員が毎日会社に来るのが楽しいと思えるようにしたいです。女性がもっと活躍できる会社にもしていきたいとも思っているので、それぞれのライフステージで活躍できる環境作りにも取り組みたいです。

日本M&Aセンターでは3KMと呼んでいますが、私自身が3つのKである個人・家庭・会社を大切にしながらやってきて、今幸せな生活を送っています。私が会社にしてきてもらったことを、今度は全社員にしてあげたいと思っています。

プライベートでは娘・息子と3人暮らし

-忙しいと思いますが、プライベートではどのように過ごされていますか

子どもの学校の関係で、今は高校生の娘と中学生の息子と3人で暮らしています。先週は娘の留学準備で一緒に買い物に行きました。仲は良いんじゃないでしょうか。私は主に掃除担当で、休日は掃除をしたりスーパーに買い物に行ったりすることが多いです。親としては大変なときもありますが、先日中学校最後のバスケットボールの試合で、普段補欠の息子が得点を決めときは、涙が出るほど嬉しかったです。やっぱり努力をコツコツすれば必ず報われるんですね!息子から学びました。



プロフィール
日本M&Aセンター 専務取締役 鈴木 康之(すずき・やすゆき)
1975年生まれ。千葉県出身。明治大学卒。
保険関連会社勤務を経て、2008年1月に日本M&Aセンター入社。2010年に札幌営業所開設に伴い、札幌営業所長に就任。2016年には福岡営業所開設、2018年には中四国営業所開設を担い、2022年4月に常務執行役員、2022年10月より常務執行役員 営業本部長、2023年に取締役 常務執行役員 営業本部長、2024年より専務取締役 営業本部長。