6月5日、名古屋駅前の大名古屋ビルヂングで、会計事務所の先生方に向けたM&A業務を徹底的に学ぶ「M&A強化塾」の第1回が開講されました。募集人数を大幅に超える申し込みのあった本イベントには、42事務所から59名の会計人が参加しました。プログラムは月1回の開催で、全6回を予定しています。初回はM&Aの基本からグループワークを通したM&Aのケーススタディを学びました。
「M&A強化塾」は、全国の会計事務所と日本M&Aセンターで組織する日本M&A協会に所属する先生方向けの「正しいM&A」を学ぶ勉強会です。北海道から参加する会計事務所もあるほど注目されています。
第1回の講師を務めた中部支社長兼中部会計事務所部の伊藤 泰之部長は、会計事務所がM&Aを学ぶ意義について
① 顧問先の雇用を守る
② 付加価値業務であるM&Aを習得する
③ 事務所の収益性アップ
の3つを挙げました。現在の日本が直面する後継者問題の深刻さや、事業承継方法のトレンドが親族承継から親族外承継に変化する中で、経営者の主なM&A相談先に税理士事務所があがることなどをデータを用いて解説し、顧問先のM&A支援の必要性を訴えました。会場には真剣にメモをとる参加者の姿が多数見られました。
続くグループワークでは、用意されたさまざまなケースについて、6人1組のグループでディスカッションを行いました。M&A後の処遇や不動産の取り扱い方法など、基本的なことから専門的な議題まで幅広く意見交換しながら知見を深めました。全体発表を行った参加者には、大阪・関西万博の公式キャラクターミャクミャクの3色ボールペンがプレゼントされ、思わず笑みがこぼれていました。
■「M&A強化塾」を企画した中部支社長兼中部会計事務所部の伊藤 泰之部長
年々M&A件数が増加していくにつれ、会計事務所の先生方の「もっとM&Aを深く学びたい」「M&A支援を業務に取り入れたい」というニーズが高まっていくのを肌で感じていました。
事務所ごとに日本M&Aセンターの担当がつき、日頃から連携を深めたり勉強会を行ったりしますが、あえて今期は集合型でM&Aのスタートからゴールまで時間をかけてより深く学べる機会をつくることで、新たな成果が生まれるのではと考えました。「M&A強化塾」は多くの会計事務所の先生方が集まるので、情報交換の場にもなればと考えています。
当初50名の募集でしたが、70名のお申し込みをいただき、あらためて会計事務所経営におけるM&Aニーズの高まりを感じました。第1回の開催は、反応も非常に良くほっとしています。グループケーススタディでは、考えや意見を共有しあうことで気付きを得たというお声をいただきました。
全6回の講義を通して、より多くの会計事務所の先生方に、正しく、深くM&Aを知っていただきたいと思っています。M&A業界はいま、モラルや知識の低下も問題になっています。顧問先に日々寄り添う会計事務所が正しいM&Aを習得することで、東海地域の事業承継問題を解決に導いていきたいと考えています。
第2回は7月に外部講師を招いて開催され、他事務所の取り組み事例紹介も行われる予定です。