日本M&Aセンターの若手トップコンサルタントが集う「令和塾」。10月13日、名古屋支社(現中部支社)の拡張リニューアルを記念し、名古屋にて初開催されました。特別ゲストとしてDINETTE(ディネット)株式会社 代表取締役 尾﨑美紀氏をお招きし、「IPOを目指す急成長ベンチャー企業!カリスマ女性経営者の目指す会社像」と題してご講演いただきました。
尾﨑社長率いるDINETTEは、PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)などのコスメブランドやビューティーメディアを展開する急成長企業です。名古屋出身で、Amazonプライム・ビデオの人気番組「バチェロレッテ・ジャパン」の二代目バチェロレッテに出演されたことでも注目を集める尾﨑社長は、今最も旬な若手起業家といえます。2020年には「Forbes 30 Under 30 Asia」にも選出され、現在女性最年少IPO(新規上場)を目指されています。
当日は、全国の拠点から集まった100名超の日本M&Aセンター令和塾塾生が尾﨑社長の経営哲学に聞き入りました。
就職活動で大手企業から内定を獲得したが「ワクワクしない」「自分の好きなことを仕事にしたい」と漠然と悩んでいた尾﨑社長。「尊敬できる先輩経営者に出会って、その方のもとで学ぶとワクワクしたんです。自分もこうなりたいと思い、起業を選びました」。
若くして起業したからこその苦労もあったといいますが、「良い意味で図々しかった。自分のできないことは素直に認めて、できる人の元に直接教えを請いに行ったり、一緒にやってもらえるようお願いしたりしました」。
起業時は「特別なスキルがあるタイプではない。好きなことじゃないと続かない」「いつかはプロダクトを作りたいが、いきなり作っても売れないので、まずはファンを作ろう」と考え、美容メディアの運営を開始。当初はマネタイズよりもフォロワー獲得とコミュニティ作りに注力し、「続けることが大事。毎日SNSに張り付き更新して検証する細かいPDCAを回し続けたことで、半年で10万人くらいになりました」。
美容メディアがほかにあまりなく、徐々に注目度も高まっていったといいますが、キャッシュフローに追われ自身の給料を後回しにした経験も。ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達も、当初は50社を回って「やっと数社が興味を持ってくれるような状況だった」といいます。
転機は最初の商品開発時。銀行からの融資のなんと全額を新商品開発に投入し、ずっと目標としていたコスメブランドの立ち上げに社運をかけて挑戦。「リップやファンデーションなどのレッドオーシャン領域では勝てない」と判断し、当時はまだ少なかったまつげ美容液に参入、美容好きな尾﨑社長がこだわりを持って作った商品が大ヒットし、DINETTEは急成長を遂げます。
意外にも「昔は自己肯定感が低かった」と語る尾﨑社長。時には功績を残している同年代の起業家や大手企業に就職した大学同期など、周囲と比べ自信を無くしたことも。しかし「自分の選択は自分で正解にするしかない。正解にできるように行動する」ことを心がけ、結果を積み重ねることで価値観が変わっていったといいます。
現在はIPOを目指し、事業拡大と併せて組織体制を整えています。組織の整備や中期的な事業計画の策定といった新しい経営フェーズに移り、会社の雰囲気も変わったといいます。尾﨑社長は「自分よりも優秀な方々に仲間になってもらえるよう、人を巻き込める経営者になることを意識している。とても強い組織になってきたと感じます」と述べ、「今は国内だけの展開なので、東南アジアなどにもグローバル進出したい」と語りました。
令和塾参加者からM&Aについて質問が寄せられると「起業家の中で、M&Aのイメージが以前より良くなってきたという感覚はあります。この会社と組めば、自分たちの考える最大限の事業戦略・経営戦略を何段階も越えられるというのがM&Aのメリットだと思います。」とコメントしました。
また「女性経営者として将来、家庭の両立をどのように考えているか」との質問には「もし子供ができて二人で補えない部分が発生したら、アウトソーシングしてもいいと思っています。事業が世の中で評価されることで、女性起業家のロールモデルになりたいですね」とキャリア観を語りました。
=令和塾とは=
日本M&Aセンターは「企業の存続と発展に貢献する」という理念を実現するために「人材育成」が最重要だと考え、経営者とひざを突き合わせ伴走できる人材を育成すべく、入社3年未満の優秀コンサルタントのみが参加可能な「令和塾」を毎月開催しています。経営層、幹部層とのビジョンの共有や、外部経営者による講演を通じ、高い視座の習得を目指しています。
M&Aマガジンより転載【令和塾】IPOを目指す注目の若手起業家 尾﨑美紀氏から経営哲学を学ぶ