
「日本の産業を強くしたい」という想いを胸に岡谷鋼機から日本M&Aセンターへ転職した産業戦略1部部長 安島 峻平さん。これまで、年間成約件数全社1位や受託件数全社1位など数々の社内表彰を受賞し、現在は部長として組織を率いる一方、そのキャリアは決して順風満帆ではなかったといいます。入社当初の苦労や部長1年目の挫折、そしてこれから実現したい未来について聞きました。
※所属・肩書等は取材当時。
―日本M&Aセンターへ転職された理由を教えてください。
前職の岡谷鋼機は名古屋市に本社を置く独立系商社で、私は機械設備の販売を担当していました。単に設備を販売するだけでなく、生産ライン全体をまとめて提案・納入するような仕事にも携わっていました。お客様の海外進出支援などを経験する中で、出資や資本提携によって企業の可能性が大きく広がる場面を目にし、「中小企業がそれぞれ単独で戦うよりも、企業同士がもっと連携できれば、日本の産業は強くなるのではないか」と感じ、M&Aを通じて日本の産業の発展に貢献したいと思うようになりました。
―日本M&Aセンター入社当初はどのようなスタートでしたか。
正直かなり苦しかったですね(笑)。当社は研修制度が充実しているのですがその分厳しさもあって、私は入社後に東京本社で実施される研修テストに合格できず、同期より2週間ほど遅れて中部支社に配属されたんです。11月1日入社だったのですが、前職で10月末まで勤務していたため十分に勉強時間を確保できておらず、自身の準備不足を痛感しました。
当時は本気で、「このまま名古屋に戻れないんじゃないか」「もしかしたらM&Aコンサルタントになれないんじゃないか」と思っていました。
ようやく配属されても安心したわけではなく、「成果を出さなければいけない」というプレッシャーがずっとあり、同期に追いつこうという思いが強く、精神的な負荷から体調を崩してしまったこともありました。ただ、私は昔から「流汗悟道」をモットーにしていて、やらずにわかることはないと思っています。汗を流して、失敗して、悩んで、ようやく見えてくるものがある。成果につながるかどうかは後にならないとわかりません。だから自分で決めたことは最後までやり切る。そうした積み重ねの先に成長があると思い、なんとか走ってきました。

―これまでのキャリアで最も苦しかった経験は何ですか。
初めて部長になった1年目です。グループリーダー時代から"部長のつもり"で仕事をしていたので、自分ではしっかり準備ができていると思っていました。でも実際に部長になると責任の重さが全く違いました。当初はメンバーの指導に力を入れれば組織の業績は良くなると思っていたんです。ところが思うように成果が出ずに苦しみました。そこで気付いたのは、部長である自分自身の業務への向き合い方の甘さです。部員は上司の言葉以上に背中を見ています。実際に、自身の成果にしっかり向き合うようになってから組織全体も上向き、最終的には大きく改善することができました。あの経験は、今のマネジメントの原点になっています。
―メンバーの成長を実感する瞬間や、印象に残っている出来事はありますか。
最近特に嬉しかったのは、自分が企画した取り組みがメンバーの成果につながったときですね。産業戦略1部では、若手メンバー向けに「安島塾」という勉強会を開催しています。営業活動の進め方や案件の考え方など、自分がこれまで経験してきたことを共有する場です。
拠点やグループを越えたつながりをつくるために、部会議でグループディスカッションも実施しました。普段接点の少ないメンバー同士が意見交換できる機会を意識的につくっています。
こうした取り組みを続ける中で、若手メンバーから「安島塾のおかげでアドバイザリー契約が取れました」と言ってもらえたことがありました。自分がプレイヤーとして成果を出すことももちろん嬉しいですが、自分が考えて実施した施策によってメンバーが成長し、結果につながったと感じられたときは、それ以上にやりがいを感じます。
―部長として大切にしていることを教えてください。
「最後は責任を取ること」です。自分が判断したことに対して、「それは知りません」とは言いたくありません。もちろん厳しいことを言う場面もありますが、メンバーには安心して挑戦してほしいですし、心理的安全性の高い環境づくりを大切にしています。また、組織運営においてはコミュニケーションを重視しています。今は東京・名古屋・大阪の3拠点を見ていますが、できるだけ現場へ足を運び、直接メンバーと話すことを意識しています。

―転職当時に描いていた企業をつなぎ、日本の産業を強くするという夢は、今実現できていますか。
ある意味では実現できていると思います。入社以来、製造業のお客様のM&Aをご支援し、企業同士がつながることで競争力を高めるお手伝いもできています。ただ、当時の自分が思っていたよりも、物事はもっと複雑でした。以前は「企業を集約すれば強くなる」と考えていましたが、今はそうではないと思っています。大事なのは機能補完です。それぞれの企業の強みを組み合わせ、一社ではできなかったことを実現する。そのためにM&Aがあるのだと考えるようになりました。
日本がこれからも成長していくためには、製造業の発展が欠かせないと思っています。日本の外貨獲得を支えているのは製造業であり、ものづくり企業が元気であり続けることが、日本全体の競争力にもつながると考えています。
だからこそ、産業戦略1部としてM&Aだけを提案する組織ではなく、経営者の皆さまに価値ある情報を提供できる存在になりたいと思っています。業界動向や経営課題、生産性向上など、M&A以外のテーマでも相談していただける関係をつくりたいですね。そして将来的には、「この業種のことならまず日本M&Aセンターに相談しよう」と思っていただけるような組織をつくり、日本のものづくり、そして産業の発展に貢献していきたいと思っています。
プロフィール
日本M&Aセンター 産業戦略1部
安島 峻平(あじま・しゅんぺい)
1991年3月生まれ、福島県いわき市出身。
中央大学卒業後、岡谷鋼機で豊田本部刈谷支店メカトロ室に勤務・国内外のアイシングループに自動車部品生産用の機械設備を販売。2019年11月日本M&Aセンターに入社。成約件数48件中8割は製造業関連のお客様のM&Aを仲介。現在は部長職3年目。趣味は休日の家族との団欒。5歳と1歳男児の父。




