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【イノベーション賞】現場の課題意識から生まれた全社的改革・小林 倫士さん

【イノベーション賞】現場の課題意識から生まれた全社的改革・小林 倫士さん

28歳までバスケットボールに打ち込み、実業団でもプレーしていた投資戦略2部の小林 倫士さん。怪我が原因で引退し、2019年8月に日本M&Aセンターに入社しました。入社後は6年連続目標達成。そして2025年度には、日本M&Aセンターで革新的な発想と行動力により、新たな価値を創出した社員に贈られる「イノベーション賞」を受賞しました。今回は、受賞につながった取り組みの背景や、6年連続目標達成の秘訣を聞きました。

※所属・肩書等は取材当時。

課題感をもとに、社長に直接改善提案

―まずはイノベーション賞受賞おめでとうございます!受賞の要因となった、小林さんが創出した「新たな価値」とはどんなものなのか教えてください。

「譲受企業を担当する部署の部長やグループリーダーが、譲渡企業との面談に同行する仕組み」を会社に提案し、全社的に導入されました。日本M&Aセンターは約600人のM&Aコンサルタントがいて、譲渡企業と譲受企業の担当者が分かれているという大きな特徴があります。譲渡企業担当が受託した1つの案件に対し、譲受企業担当者が一斉にマッチングをするので、譲渡企業は、多くの候補の中からベストな相手を選ぶことができます。一方で、担当者1人で受託からマッチング、成約まで完結する場合と比較すると、譲受企業担当者は譲渡企業への理解が十分でない場合があります。その課題解決として提案したのが、譲受企業を担当する部署の部長やグループリーダーが譲渡企業との面談に同行する仕組みです。

2025年度年間表彰式にて「イノベーション賞」を受賞、右は株式会社日本M&Aセンターホールディングス三宅 卓代表取締役社長

―この提案はどのような経緯で生まれたのでしょうか。

きっかけはグループリーダー合宿でした。2025年度まで所属していた事業法人部のグループリーダー数名で、竹内 直樹社長に対し、会社の課題や改善提案を持ち寄る場があったんです。自身の経験を振り返るなかで、過去に、交渉終盤で重要な論点が見つかり、最終的に見送られてしまった経験があります。譲渡企業担当者は譲渡企業社長との信頼関係づくりを最優先にしていますが、譲受側の視点から見れば早いタイミングで確認しておきたいポイントもあります。だからこそ、経験豊富な譲受企業を担当する部署の部長やグループリーダーが初期段階から関わることで、譲渡企業理解も深まり、結果的により良いマッチングや円滑な案件進行につながるのではないかと考えました。

―提案後、かなり早いスピードで全社に導入されたそうですね。

合宿に参加したのが2025年10月末頃で、その後すぐに議論が進み、3カ月後の2026年2月には運用が開始されました。提案した私も驚くほど早かったです。制度化に向けては営業本部副本部長の角井 隆三さんや営業開発部の村上 侑佳里さんをはじめ、多くの方が動いてくださいました。私はきっかけをつくり、形にしてくれたのは周りの皆さんです。この出来事を通じて感じたのは、この会社の実行力の高さです。現場から出た意見を聞いて終わりではなく、実際に取り入れてスピード感を持って形にする。実際に目の当たりにして、当社の文化の強さを改めて感じました。

―この仕組みの導入後、実際に譲受企業担当者として譲渡企業へ同行する際はどのようなことを意識されていますか。

一番意識しているのは、譲渡企業担当者へのリスペクトです。譲渡企業担当者は、案件によっては数年かけて受託していることもあります。そのプロセスには非常に大きな努力があり、だからこそ、この施策が譲渡企業や譲渡企業担当者にとってプラスになるものでなければ意味がないと思っています。

同行前には、譲渡企業担当者と事前にコミュニケーションを取り、どのような配慮が必要かを確認した上で臨んでいます。私の役割は、譲受側の視点を早い段階で譲渡企業オーナーにお伝えすることです。ただ一方的に話すのではなく、「譲受企業はこういう考えがありますが、社長はどうお考えですか」と、譲渡企業の社長のお考えや想いも丁寧に伺うようにしています。
交渉段階になる前に譲受側の視点を共有することで、譲渡企業の社長も心構えや準備ができ、その後の案件進行もスムーズになります。譲渡企業の社長からも譲渡企業担当者からも、「同席して良かった」と感じていただける時間にすることを常に意識しています。

 “相手起点”の仕事術で6年連続目標達成

―小林さんが仕事をする上で大切にしている考え方を教えてください。

「相手の立場で、本気で考えること」です。「相手の立場に立って考える」とはよく聞く言葉ですが、実際には簡単なことではないと思っています。自分がどうしたいかではなく、「相手にとって一番良い選択は何か」を考える。お客様にとってM&A以外の選択肢の方が良いと思えば、その可能性についてもお話しします。短期的な成果よりも、相手にとって本当に良い結果を優先することを大切にしています。

―6年連続で目標を達成されていますね。秘訣は何でしょうか。

運が良いからだと思っています(笑)。この仕事はどうしても自分ではコントロールできない要素があります。最後の最後で案件が破談になることもありますし、本当に何が起きるか分かりません。ただ、マインドとしては「目標を達成するのが当たり前」という意識を持っています。その上で振り返ると、お客様や社内の仲間に助けていただいた結果として、数字がついてきている感覚があります。もしかしたら、日頃から相手のことを考えて行動することが、巡り巡って支えていただける関係につながっているのかもしれません。

実業団バスケで培った“折れない力”

―前職はバスケットボールで実業団に所属されていたとお聞きしました。バスケットボールでの経験は今の仕事にも活きていますか。

28歳までバスケットボールを続けていて、人生の大半を競技に打ち込んできました。スポーツの世界は、努力が結果に繋がらないケースが大半な不安定な世界です。私自身、学生時代は怪我が多かったので、悔しい思いをした経験がたくさんあります。

だからこそ、うまくいかない出来事をどう受け止め、どう前向きに切り替えるかというメンタルコントロールの力が身についたと思います。M&Aコンサルタントの仕事も自分ではコントロールできないことが多いので、起きたことを受け入れて次に活かす考え方は、今でも大きく役立っています。

―今後の目標を教えてください。

日本M&Aセンターホールディングスの時価総額1兆円の実現とそれに向けての貢献です。当社には顧客や社会、組織のために使命感を持って働いているメンバーがたくさんいます。会社全体としても第二創業期を迎えており、現場の意見を積極的に取り入れ、従業員全員が働きやすい環境の構築に向けて変革しているところです。そういった組織の実現をテーマに、今後も業績面での貢献はもちろん、今回のような生産性向上の取り組みを含め、1兆円という時価総額達成にインパクトを与えられる存在となることを目標とし、日々業務に邁進していきます。


プロフィール
日本M&Aセンター 投資戦略2部
小林 倫士(こばやし・ともひと)
1990年生まれ、愛知県出身。
大学卒業後、独立系大手SIerにて6年間営業勤務。2019年日本M&Aセンターに入社し、PEファンドカバレッジ部隊として幅広い案件に従事。