
日本M&Aセンターから転籍し、PMI(M&A後の統合プロセス)をサポートする日本PMIコンサルティングで活躍する沼尾 加奈絵さん。現在はPMIコンサルタントとして複数のプロジェクトを担いながら、子育てと仕事の両立にも向き合っています。キャリアの選択やPMIの面白さ、働くうえでの心がけなどを聞きました。
※所属・肩書は取材当時
―これまでのキャリアについて教えてください。
新卒で生命保険会社に入社し、約9年間勤務しました。個人保険の営業および営業支援業務や法人領域の営業を経験ました。正直、次に明確にやりたいことがあったわけではありませんでしたが、一つの会社で長く働く中でせっかくなら今までとは違う環境に身を置いてより刺激のある仕事に挑戦してみたいと考えるようになり、「面白そうな事業をしている会社」を軸に転職活動を進めていました。
日本M&Aセンターに興味を持ったのは、地域金融機関とのリレーション構築を担う「コンシェルジュ」という新しいポジションが立ち上がるタイミングで、これまでの経験と業務内容を重ねてイメージできたことが大きかったです。実際に入ってみると業務はまだ確立されておらず、何をすれば価値になるのかを自分で考え続ける必要がありました。その経験は大変でもありましたが、その後のキャリアにもつながる大きな学びになったと感じています。

―日本PMIコンサルティングへの異動はどのような経緯だったのでしょうか。
異動自体は声をかけていただいたことがきっかけです。ただ、前職から営業としてお客様と向き合ってきた中で、もっと深く関わりたいという想いや自分自身の価値を発揮して組織に貢献したいという想いはずっとありました。
PMIはまさに企業が変化していく過程に伴走する仕事で、いわゆる「カスタマーサクセス」のような側面もあります。話を聞いたときに、自分がやりたい方向性と重なっていると感じ、前向きに挑戦してみようと思いました。結果としては、自分の志向にとても合っている領域で、良い転機になったと感じています。
―現在の業務内容について教えてください。
プロジェクト単位で動いており、並行して3〜5件のPMIに関与しています。案件によって期間も異なり、短いものでは数カ月、長いものでは1年以上にわたることもあります。
日本PMIコンサルティングのPMI支援では、M&A後、まず従業員インタビューなどを通じて現状分析を行い、課題を抽出します。その結果をレポートにまとめ、その後は課題に対する施策設計や実行支援まで伴走していきます。
―やりがいはありますか。
一つとして同じ会社はなく、状況も課題も全く異なります。そのため、毎回「この会社はどうすれば良くなるのか」を考え続ける必要があり、相手の立場や背景を理解しながら柔軟に考えていくことが、この仕事の面白さであり難しさでもあると感じています。また、M&Aのディールの段階では見えなかった部分に触れられ、そこに新たな課題や改善のヒントがあることもあり、企業の本質に近い部分に関われる点にも大きなやりがいを感じています。
―チームでの働き方についてはいかがですか。
1案件につき2〜3名のチームで関わることで、異なる視点を持ち寄れるのが面白いです。自分一人では気づけなかった点も、議論を通じて見えてくることが多く、より良い提案につながっていると思います。組織としてもフラットで、意見を出しやすい環境です。現状をより良くしていこうという意識が強く、型にとらわれずに改善を続けていく文化があると感じています。

―出産後、働き方はどのように変わりましたか。
最も大きいのは時間の使い方です。以前は時間や気合でカバーできていた部分もありましたが、今はそれができなくなりました。子どもの体調や予定によって日々状況が変わるため、仕事と家庭の優先順位を常に考え続けています。
仕事はしっかりやりたい一方で、子どもにも寂しい思いはさせたくない。その中で、「ここまではやる」「ここは調整する」といった自分なりの線引きをしながら、納得できるバランスを常に模索しています。
―出産・育休に際して、会社からのサポートや印象的だった言葉はありましたか。
私は日本PMIコンサルティングで産休を取得した第一号社員で、2024年5月に出産して翌年4月に復職しました。妊娠中はつわりで入院することもあり、周囲に迷惑をかけてしまうのではないかという不安な気持ちもあったのですが、そんな時に竹林 信幸社長やマネージャーの皆さんから「今はしっかり休んで、ちゃんと戻ってきてほしい。その姿を見せることで、これから産休・育休に入る人たちが安心できるから」と声をかけていただきました。
その言葉を受けて「しっかり休んで復帰すること自体に意味がある」と思えるようになりました。当社は20代後半から30代のメンバーが多く、男女ともにこれからライフイベントを控えているかもしれません。自分の経験したことを組織に還元し、周りからしてもらったことをこれから同じような状況になるメンバーに返していけるような存在でありたいと思っています。

―両立において工夫していることはありますか。
急な対応が難しくなる可能性がある分、日頃からの情報共有をより意識するようになりました。チームで案件を担当しているため、どうしても対応できない場面では他のメンバーにフォローしてもらえる体制があり、とても助けられています。
家庭では、子どもが体調を崩した際には夫と役割を調整したり、遠方に住む母に来てもらったりと、周囲のサポートにも頼りながら乗り越えています。一人で抱え込まず、周りの力を借りることも大事だと実感しています。
―今後の目標を教えてください。
PMIの市場はこれからさらに広がっていくと思っています。金融機関との連携など、自分のこれまでの経験を活かせる領域で価値を出していきたいと考えています。
息子が生まれてから、働き方に対する考え方が変わりました。もともと仕事は好きなのですが、今は「楽しく働いている姿を息子に見せたい」と強く思うようになりました。その姿を息子が見て、大人になることや働くこと、そしてそれにつながる勉強に対して、ポジティブなイメージを持ってもらえたら嬉しいと思っています。そのためにも、その時々で自分なりに納得できる選択を重ねながら、前向きに仕事に向き合っていきたいですね。
プロフィール
株式会社日本PMIコンサルティング
沼尾 加奈絵(ぬまお・かなえ)
1987年生まれ、青森県出身。立教大学卒業後、日本生命保険相互会社へ入社。個人保険営業および営業支援業務、ホールセール部門における営業・顧客対応業務に従事。9年間の勤務経験を経て、2019年5月に日本M&Aセンターに入社。東日本地域金融部および金融企画部に所属し、金融機関とのリレーション構築を目的とした企画立案および営業支援業務に5年間従事。2023年より日本PMIコンサルティングへ異動。趣味はゴルフ。




