日本M&Aセンターは、日経コンストラクションとの共著で書籍『建設M&A 「買収」だけでなく「売却」の成長戦略が当たり前に』を日経BPより2023年6月19日に発売しました。著者を代表して、業種特化事業部 業種特化2部 建設業界専門グループ 清水 貴章さんに話を聞きました。
―業界初の建設に特化したM&A本ですね!
2022年に日本M&Aセンター 業種特化事業部から出版した書籍「The Story」シリーズでは、物流・調剤薬局・食品・IT・製造業の5業種にフォーカスしており、私が調べる限りでは建設に特化したM&A関連書籍は当社や競合他社からこれまで出版されていませんでした。今回の書籍が業界初の取り組みとなりとてもうれしく思います!
―建設業界の現状はいかがでしょうか。
建設業界は60兆円の巨大な市場規模でありながら、47万者ものプレイヤーが存在します。市場に対してプレイヤーの数が多いため効率化が図れていないだけでなく、業界全体として人手不足や経営者の高齢化など、多くの課題を抱えています。
そうした状況を打破する一手として建設業界でもM&Aが年々盛んに活用されるようになっており、当社においても成約件数全体の約3割を建設業界が占めています。企業数や業界環境を考えると今後もこの業界でM&Aが増えていくのは確実であり、今まさに業界再編の波が訪れようとしています。
―書籍のポイントを教えてください。
全5章からなり、建設業界の歴史を振り返るとともに「なぜいまM&Aが必要なのか」をわかりやすく解説しています。すでに再編が進んでいる他業界に共通する「法則」にも言及し、建設業界の未来を考えるうえでのポイントを示唆しています。
第4章では、当社が支援した建設業界のM&A事例を10件盛り込んでいます。知名度のあるストロングバイヤーや、海外企業とのM&Aなど様々なタイプの事例を集めました。
事例の掲載にあたっては、実際に私も編集者とともにお客様のもとに往訪して取材をさせていただきました。他部署のお客様との接点を持つことができ、直接経営者の皆さんの考え方や想い、戦略を伺う貴重な経験になりましたね。
また、些細なことですが、中身を色付きにしたり打ち合わせ風景や建築物などの写真も多用したりし、気軽に読み進めていただけるように工夫しました。
―「共著」という形での出版は、当社としてはめずらしいですね。
日経コンストラクションは土木分野に特化していて、業界の方からの知名度は抜群です。日経コンストラクションでの特集の内容も今回の書籍に加えていただいており、メディアとしての信頼感もあるのでより読者に刺さるものになったと思います。
―書籍を実際に手に取った感想はいかがでしたか。
構想自体は3年ほど前からあったそうですが、私が関わるようになったのは1年半ほど前からです。社内外の多くの方のお力添えをいただきながら完成までこぎつけることができ、書籍に名前が記されているのを見て純粋にすごいことだなと思いました。
入社前には想像すらしていなかったことを経験させていただき、恐れ多い気持ちもありますが、ありがたく思っています。
―どんな方に読んでいただきたいですか。
タイトルにもあるように、譲受け、譲渡の両方の視点からM&Aを考えていただける1冊となっています。経営者の皆さんは肌感覚としてわかっていることも多いと思いますが、改めて客観的に業界の動向を知ることは、自社の未来を考えるうえでも参考になると思います。
建設業界の企業は他の業種と違って全国に点在していて、地域の存続においても欠かせない存在です。私たちが日々経営者の皆さんにアプローチするのと並行して、書籍を通じてM&Aが正しく認知され、自社の未来を考える一助になればうれしく思います。
M&Aマガジンより転載業界初・建設M&Aに特化した書籍が誕生!『建設M&A 「買収」だけでなく「売却」の成長戦略が当たり前に』を発売