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地域特化型サーチファンド「J-Search」本格始動!専務執行役員・相馬 千太郎さん

地域特化型サーチファンド「J-Search」本格始動!専務執行役員・相馬 千太郎さん

日本M&Aセンターホールディングスの100%出資で誕生した「日本サーチファンド(通称:J‐Search)」は、2025年4月より地域金融機関とともに地域特化型サーチファンドの運営をスタートさせました。2025年5月時点で、南九州、北陸、北海道で3つのサーチファンドが立ち上がり、中堅・中小企業と経営者を目指す個人への投資を通じて、M&Aや事業承継の新しい形を提供します。日本サーチファンドに2025年1月に参画した、同社 専務執行役員 相馬 千太郎さんにお話を聞きました。

日本サーチファンドのWebサイトはこちら


地域金融機関からの大きな期待

―これまでのキャリアを教えてください。

2002年に大和証券エスエムビーシー(現 大和証券)に新卒入社し投資銀行業務を約10年、その後PEファンドで投資業務に携わってきました。キャリアチェンジを考えていたタイミングでJ-searchを紹介いただき、これまでのキャリアを生かしながら、サーチファンドという枠組みで新しいチャレンジができると考えました。地方創生や日本の国益という観点から考えた場合にもJ-Searchのもつ可能性は大きく、面白い取り組みだと感じました。入社後は専務執行役員を拝命し、投資の責任者であり運営全般を任せていただいます。

―これまでの3ファンド立ち上げの過程において感じられたことを教えてください。

入社時は何もない状態でしたが、地域金融機関の皆さんとお話しする中で「サーチファンド×地方創生」という取り組みに非常に大きな期待感を持っていただいていると肌で感じました。日本M&Aセンターが長年培ってきた信頼関係がベースにあり、さらに代表取締役 大槻 昌彦さんがキーマンとの地ならしをしてくださっていたので、設立に至るまでは乗り越えられないような高いハードルはありませんでしたが、あくまで設立はゴールではなくてスタートです。ようやくスタートラインに立てたので、むしろここからが大変になるだろうと思っています。

サーチャーに必要なのは起業家マインドと地方創生への強い想い

―J-searchの特徴について教えてください。

一番は「地域特化型のサーチファンド」であることです。基本的に全国を投資対象とするサーチファンドが多い中で、J-Searchは各地域の企業を投資対象としています。地域金融機関においては取引先のソリューションに直接つながるという点で共感いただいていると考えています。また、現状各ファンドは地方銀行と日本M&AセンターHDのみで運営しているため、地域金融機関の意見を反映しやすくそれぞれの色を出していけるのも大きな特徴だと思います。

―どんな方にJ-Searchのサーチャーになっていただきたいですか。

起業家マインドのある方、地方創生に強い想いがありその地域で経営者になりたい方、コミュニケーション能力の高い方が向いていると思います。
サーチファンドはいわゆる0→1の起業とよく対比されますが、1→10にするサーチファンドの仕組みも起業の一形態と捉え、譲り受けた企業に飛び込んで経営していくという覚悟や、新しいチャレンジをしていこうという姿勢のある方でないとなかなかうまくいかないのではないかと考えています。その地域の出身の方のほうがフィットしやすい部分もあるかと思いますが、地縁は関係なく広く募集しています。すでにJ-searchのWebサイトから問い合わせいただいたサーチャー希望者の方とのカジュアル面談を進めており、今後はサーチャー募集に向けたセミナーも計画しています。

事業承継前後は日本M&Aセンターグループで全面バックアップ

―J-Searchならではのサーチャーへの支援はありますか。

サーチャーの方が投資先を探すうえで、多くの企業情報やノウハウ、経験を有する日本M&Aセンターがバックアップしてくれることは非常に大きなメリットだと思います。
また、日本M&Aセンターグループである点を生かして、グループ間連携を通じた支援もしていきたいと考えています。日本PMIコンサルティングに投資直後PMIのサポートをしていただいたり、サーチャー候補の方にJ-FUNの投資先への常駐を通じて実際の経営の現場を見ていただく機会を提供したりすることなどを検討しています。
私自身もPEファンドで投資に携わり、投資先に1年以上常駐した経験などもありますので、サーチャーの育成においても知見を還元しながらしっかりと伴走していきます。

―今後の展望を教えてください。

今後数年かけて10地域に規模を拡大していきたいと計画しています。既存の3ファンドにおいては、早期にサーチャーを確保し投資していくことを目標に進め、地方創生に貢献していきます。


プロフィール
日本サーチファンド 専務執行役員 相馬 千太郎(そうま・せんたろう)
2002年に大和証券エスエムビーシー(現大和証券)、2006年から日興シティグループ証券(現SMBC日興証券)にて、上場企業の資金調達やIPO、M&Aアドバイザリー等の投資銀行業務に従事。
その後、国内大手銀行や政府系金融機関、大手証券会社のグループ企業において、一貫して日本企業へのプライベート・エクイティ投資を通じた成長支援に携わる。
2025年1月から日本サーチファンドに参画し、各ファンドにおける投資実務全般を管掌。