地方銀行を経て2021年9月に日本M&Aセンターに入社し、現在は業界再編1部で活躍中の大久保 正太さん。入社2年目から3年目にかけての2024年度においては、日本M&Aセンター全コンサルタント700名中、受託(提携仲介契約の締結)件数1位を獲得しました。大久保さんにこれまで困難だったことや大切にしている考え方について聞きました。
―大久保さんは2024年度、東日本事業法人3部に所属されていて、受託(提携仲介契約の締結)件数1位を獲得されました。率直な気持ちをお聞かせください。
私1人の実力だと絶対にできなかったですし、ディールのカウンターパートの方々や井東 純平部長、チームメンバーやバックオフィスの皆様の力添えがあって成しえたことです。そして何より私の提案に価値を感じてくださったお客様のおかげですので、感謝の気持ちでいっぱいです。
社内の方々や受賞したことを伝えたお客様から「おめでとう」、「良かったね」とお声がけいただきましたが、実感はまだ湧いてないです(笑)。
―受託件数1位を獲得できた要因はどのように分析されますか。
お客様目線での提案を心掛けていることが一番の要因でしょうか。自分ならこの提案に納得するか、本当にM&Aをすることがその会社の成長につながるのか、自分ごととして考えています。気づきを与えてくれた先輩方のおかげですし、過去の経験から学び、愚直にお客様と向き合った結果だと思います。
―大久保さんは現在入社3年目ということですが、転職の経緯について教えてください。
前職は東北の地方銀行に約4年半勤め、資産運用提案や法人融資など一通りの銀行業務を経験しました。上司や同僚に恵まれ、後に妻となる同期の女性とも出会いましたが、一方で、自分の将来についてこのままでいいのか悩む日々でもありました。
銀行だと、良くも悪くもお客様が必要としてくださいます。たとえば融資について、資金ニーズがあってそれに対応してくれる銀行があれば、極端な話どこの銀行でも大きくは変わらないと思うんです。私にしかできない仕事を、20代のうちに全力でやってみたいと思い転職に至りました。
―どうして日本M&Aセンターだったんですか。
銀行員時代に求めていた「自分にしかできないこと」がM&Aコンサルタントという仕事にはあると思ったからです。自分の提案がお客様の経営の根本的な意思決定に関わります。
日本M&AセンターはM&A仲介会社の中で最大手で、成長できる環境が整っているだろうと思いましたし、採用面接をしてくださった梅津 孝夫チャネル部長のビジネスマンとしての圧倒的なパワーに魅了されました。ちょうど転職する3カ月前にプロポーズをしてOKをもらったところだったので、妻の両親に安心してほしいという気持ちもありました。
―入社してみていかがでしたか。
いい意味ですごくギャップがありました。自分は努力できるタイプだと思っていたのですが、より優秀な人たちが自分以上に努力しているのを目の当たりにして、並大抵の努力じゃ追いつけないと感じ、だからこそ非常にわくわくしました。
―入社以来、業績は順調なのでしょうか。
入社当初はなかなか成果があがりませんでした。8カ月目で初めての提携仲介契約をいただけましたが、同期の中では一番遅かったですね。妻にも前職を辞めてもらい東京に引っ越してきたので、やらなきゃいけないという気持ちは大きかったですが、その気持ちに対して実績がついてこなかったのが苦しかったです。
その頃はM&Aの成約自体をゴールに置いてしまっていて、それがお客様に伝わってしまっていたのだと今になって思います。譲受け企業からすればM&Aの成約はゴールではなく、スタートです。M&A後の経営、PMIまでしっかり考えて提案するのは当然ですよね。
また、懸念事項があっても自分1人で何とかしようとしていました。中途入社の方は前職で実績を出してきた方が多く、自分なりのやり方やプライドがあると思うんです。そういうものを全部1回取っ払えたことが、困難な時期を乗り越えられた要因だと思います。上司や同僚、ときには後輩に、プライドを捨てて教えてもらうことが大事です。自分1人で殻に閉じこもって悩んでいても、解決方法は出てきませんでした。周りの方々に助けてもらえたことが大きな転機でした。
―自分を変えることができたきっかけがあったのでしょうか。
入社2年目の当時、チームリーダーの平塚 隼人さんとの出会いがきっかけだったかもしれません。お客様と話すときの言葉尻や枕詞など、自分では気が付けなかった些細なことを教えてくださり、「お前ならできる」「期待している」と言葉を掛けてくださいました。それから、平塚さんの言葉を100%信じ素直に実行していると、気づいたら契約が取れるようになっていました。苦しい時期を乗り越えたというよりは乗り越えさせてもらいましたね。厳しさもありながら、愛を感じる指導で今もとても信頼しています。本当にありがたかったです。
―これまでお客様にいただいた印象的な言葉はありますか。
名古屋で印刷業を営んでいる会社のオーナーに「自分の実績のために売り込んでこないよね」と言っていただいたことです。自分本位でなく、お客様のことを第一に考えて提案しているということがきちんと伝わっていて嬉しかったです。
―大久保さんが仕事において最も大切にしていることは何ですか。
M&Aコンサルタントの仕事はハードですが、本当に自分が応援したい、好きだと思うお客様に対して、素直に、誠実に対応したいと思っています。尊敬する経営者のために働くことは苦ではないです。人生をかけて育ててきた会社の譲渡を検討しているオーナーに対して譲受け企業を紹介するときに、心の底から「いいお相手です!」と紹介したいですしね。
―今後の目標を教えてください。
とにかく目の前のお客さんに今まで以上に喜んでもらうことです。そのためにM&Aの品質を磨いていきたいです。日本M&Aセンターのパーパスにあるように、最高のM&Aをお届けしたいと思っています。今回は受託件数で賞をいただきましたが、件数だけでなく質でもトップを目指します。
(プロフィール)
日本M&Aセンター 業界再編1部
大久保 正太(おおくぼ・しょうた)
1994年生まれ、宮城県出身。宮城大学卒業後、仙台銀行に入行し約4年半勤務。2021年9月に日本M&Aセンター入社。2024年度令和塾レジェンド卒業。
主に譲受企業を担当し、東北地方中心に多くの実績を持つ。