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上場社数100社超!上場支援のスペシャリストにTOKYO PRO Marketの魅力を聞く

上場社数100社超!上場支援のスペシャリストにTOKYO PRO Marketの魅力を聞く

(左)日本M&Aセンター TOKYO PRO Market事業部 上場推進部 横田 賢一さん
(右)日本M&Aセンター TOKYO PRO Market事業部 上場審査部 光浦 正也さん


東京証券取引所が運営する株式市場「TOKYO PRO Market」の上場企業数が、2024年3月に100社を突破しました。近年注目を集めるTPM市場について、日本M&Aセンター TOKYO PRO Market事業部の上場支援のスペシャリストに背景や今後の動向を聞きました。

TOKYO PRO Marketってどんな市場?どんな部署?

注目高まるTPM市場
上場を身近な選択肢に

――上場数が100社を突破しました。TOKYO PRO Marketが向いている企業はどんな企業ですか。

横田さん:組織体制を強化し経営課題を解決したいと思っている企業ですね。以前上場を支援した企業の社長が、「企業として何かしらの経営課題がある場合は、迷わず東京プロマーケットに上場することを推奨します」とおっしゃっていました。私も同じように考えていて、2~3年の時間をかけて上場準備で組織体制を強化することが、事業承継や人材採用などの経営課題の解決につながる可能性が高いです。

将来の上場を考えているスタートアップやベンチャー企業にもおすすめです。一般市場(プライム、スタンダード、グロースなど)へのステップアップを見据え、まずは上場ハードルの低い東京プロマーケットに上場することを選択肢に入れてみてください。

日本M&Aセンター TOKYO PRO Market事業部 上場推進部 横田 賢一さん

光浦さん:中堅・中小企業の主な経営課題のひとつに、やはり後継者不在があります。中小企業の社長は、経営の他に経理や人材育成など多くの重要な役割を担っているケースが少なくありません。企業の10年20年先を考えた時に、上場準備を通じ、管理面がすごく鍛えられるのは大きなメリットです。

私は上場審査部に所属していて、J-Adviser契約を結んだ企業に2年ほど伴走し上場を支援します。大変な上場準備を乗り越えた時には会社ががらっと大きく変わりますね。今までは、正確な言葉や数字を使わなくても社長の肌感覚でわかっていたことが、しっかり言語化でき、伝わりやすくなります。管理部門の従業員も経営への解像度が上がっていくと思います。

横田さん:上場日には東京証券取引所で上場セレモニーが執り行われます。その日は、経営者も従業員の方々も笑顔で喜ばれていて、会社が一つになる、結束が高まる瞬間を垣間見ることができます。
新規上場を祝う「打鐘」の経験を通じて決意を新たにされ、「次の市場を目指します」「売上100億円にします」というように、新たな経営目標を宣言される方もいらっしゃいますね。

M&Aという選択肢は、今やほとんどの経営者の方が知っています。一方で、東京プロマーケットの認知はまだ低く、「上場」という言葉を発すると、「うちは関係ないよ」と言われることもありますが、中堅・中小企業も上場しやすい市場だと思います。

日本M&Aセンター TOKYO PRO Market事業部 上場審査部 光浦 正也さん

地方創生を実現できる仕組みが
TPMにはある

――注目度の高まりについてはどう感じていますか。

光浦さん:上場事例が積み上がってきて、J-Adviserも増えているので良い循環ができています。日本M&AセンターがJ-Adviser資格を取得したのが2019年7月で、その時点では29社が上場していました。そこから約70社増えていて、うち3割は日本M&Aセンターによる支援です。J-Adviserも増えていますので、向こう1、2年でさらに100社ほど増える可能性もあると思っています。ただ、まだまだフェーズとしては黎明期なので、ここからは急加速していくんじゃないでしょうか。

横田さん:私も証券会社出身で、グロースなどの上場支援をしていました。当時はそれほどTPM市場に関心を持っていなかったのですが、よく調べると、地方企業ならではの悩み、特に人材採用などの課題があり、そこに上場企業が誕生するとUターンも含めた地元の雇用に期待ができる。まさに地方創生が実現できる仕組みです。市場も100社に到達して、中には株主にファンドやVCが入っている企業もあります。株主側からもTPMが認知されてきていると実感しています。

――日本M&Aセンターだからできる上場支援はどんな支援でしょうか。

光浦さん:上場後のさらなる成長戦略を検討する中で、M&Aを提案できることは強みですよね。また、日本M&Aセンターは全国の会計事務所や金融機関などと提携していますので、TPM上場企業にとって必要なネットワークを持っていることは大きな付加価値になっていると思います。

横田さん:ネットワークでいうと、提携先からご紹介いただいてTPM上場した企業もあります。地方主体でTPM上場支援を活性化する動きは、日本M&Aセンターのネットワークがあってこそだと思いますし、今後さらに認知を高めていくうえで非常に重要です。また、地方にアプローチできることは地方創生にもつながっていると感じます。

光浦さん:J-Adviserになった当初は、毎月のようにセミナーをやって、とにかくTPM市場の認知拡大業務が中心でした。そういう意味では、市場の育成に寄与してきたと自負しています。2023年は、新規の上場支援でシェアトップになりました。ここからのフェーズは、日本M&AセンターならではのTPM上場支援を打ち出し、J-Adviserとしての差別化も図っていきたいと思っています。今後もシェアを取り続けることで、ブランドを確立していきたいですね。

横田さん:最近は上場会社も増えてきて、すでに上場した企業の経営者をお呼びして実体験をお話いただけるようになりましたので、参加される方の反応もより良くなってきたように感じますね。とはいえ、今でも社内や提携先の銀行や会計事務所で勉強会をやらせていただいています。

――2023年度は年間で17社の上場を支援できた、この要因はどこにあるのでしょうか。

横田さん:光浦さんはじめ上場審査部の方々に頑張っていただいたからです(笑)

光浦さん:上場準備から上場まで2年から2年半くらいかかるので、そうなると2023年度に上場した企業は、2021年頃から準備をしていた企業です。日本M&Aセンターが事業をスタートさせて、啓発活動をやって、少しずつ浸透してきて上場を目指そうと動いていた時期です。そこがようやく実になって17社という数字につながったかなと思いますね。

――お2人が上場支援をする中で意識されていることはありますか。

横田さん:ほとんどの会社が上場準備をしたことがないので、我々のようなJ-Adviserなどが、基本的なことをすべて丁寧にレクチャーします。なぜそれをやっているのかちゃんと説明し、ご理解いただけるように意識しています。なんでやっているのかがわからないと、上場準備って疲れちゃうんですよね。職務権限や部署の役割などのルールを明確にしたほうが会社はよりうまく回ります。2年半後の上場が待っているので、楽しみながら取り組んでいただきたいですね。

光浦さん:横田さんの話とも関連しますが、上場準備中は、所々で全体像を共有するようにしています。やっぱり日常業務をやりながら上場準備もしてもらうので、すごく大変です。途中途中で成果もお見せし、まだまだだなとか、あと少しだなとか思われると思うんですが、なんとかゴールまで一緒にいけるよう、尽力します。

――最後に、TOKYO PRO Market市場の今後の展望も含め、お2人の想いを教えてください。

横田さん:全国にTPM上場企業を誕生させ地方にスター企業をつくりたいというのは、入社当初から変わらず持っている想いです。あとは、ステップアップ上場も増やしたいですね。2023年も、TPMからグロース市場やスタンダード市場に上場する企業が数社ありました。ステップアップするとTPM市場の上場数は減りますが、我々としてはポジティブなことと考えています。ベンチャー企業においても、上場のファーストステップの市場になるよう取り組んでいければと思います。

光浦さん:今後は、モノづくりとか伝統芸能といった一般市場には上がりづらいニッチな企業を支援したいかな。そういう企業を残していきたいし、これからも残っていってほしいので、企業を存続させるためのTPM上場もいいんじゃないかなと思いますね。


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