中国から進学で来日し日本で就職後、2021年8月に日本M&Aセンターに入社し現在は東日本事業法人2部で活躍中の趙 楠さん。入社2年目から3年目にかけての2024年度においては、日本M&Aセンターの全M&Aコンサルタント600名超の中で譲受け企業の提携仲介契約締結件数1位を獲得しました。「特別なことはしていません」と話す趙さんに、独自の営業スタイルについて聞きました。
―当社への転職理由を教えてください。
私は中国の西安市出身ですが、日本のアニメが好きで、2010年に福岡に1年間語学留学しました。その後広島の大学に入学し、卒業後は新卒で旅行会社JTBに入社しました。JTBでは法人営業を6年半行い、島根の松江支店や東京の教育関連行政を主たるお客様とする部署で勤務しました。マレーシア転勤が内定した頃、コロナウイルス感染症が流行し始めました。異動が取り消しになり、仕事も減り、在宅勤務となったことをきっかけに、人生について再度考え直し転職活動を始めました。M&Aは軽く認識している程度でしたが、調べていくうちに関心を持ちました。
日本M&Aセンターに入社した1番の理由は、成果で評価される会社だからです。日本企業は年功序列が多いと聞きますが、努力し成果を出した分、給料という形で還元されるところに惹かれました。日本M&Aセンターについて調べていくと、シンガポールやマレーシアに拠点を開設していることがわかりました。「東南アジアに進出したら、次は中国でしょ!中国現地法人の立ち上げは私がやるんだ!」と思い、面接で「中国現地法人の立ち上げをさせてください」と言って入社しました。
―入社してみての印象は。
成果が給料に反映されるというのは想像していた通りでした。
違ったところでいうと、いい意味で動物園っぽさがありました(笑)。各業界のトッププレーヤーが入社し集まっているので、勢いのある方や個性のある方が多く日々刺激を受けています。想像していた100倍すごいと感じました。切磋琢磨できる環境が整っていて、私ももっと頑張らなければと奮い立たされます。
―2024年度譲受受託(提携仲介契約の締結)件数1位を獲得されましたね。要因をどのように分析しますか。
日々の積み重ねが実っただけです。例えば、お客様とはこまめに連絡を取ることを心掛けています。新たな情報を入手したら、お客様にメールや電話ですぐに連絡をしていち早く情報をお届けするとともに、お客様の温度感も確かめます。
また、母国語が中国語なので、中華系の社長の会社にも連絡できることが私の強みです。私は頭脳派ではないので、人より量をこなすことを意識しています。
―多くの契約を取る中で苦労したことはありましたか。
複数案件を同時進行で行う大変さはありました。今ある案件を進めながら新たな商談も開始するので、重要な面談の日程が重なってしまうこともあります。上席が他の面談を調整してくれたり、チームのみんなが資料作成を手伝ってくれたり、周囲の人たちがサポートしてくれたおかげで乗り越えることができました。
―お客様とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか。
私たちが相手にしているお客様の多くは社長で、人生経験も豊富な方々ばかりです。強引な提案や冗長な説明とならないよう、お客様が関心を持つであろうポイントを端的にまとめ、イメージしやすい資料を作成することによって提案内容の魅力を伝えるようにしています。社長には実現したい夢や目標があり、その実現のために当社との面談時間を確保してくださっているので、焦らずお付き合いし、定期的なフォローで長期的な関係を築くことが重要だと思っています。
―趙さん独自の営業スタイルはありますか。
していることは他のコンサルタントと変わりません。ただ周囲の人からは、「社長に好かれるね」「懐に入るのが上手」とよく言われます。お客様からは「話すテンポが良いね」と言われることもあります。自覚はありませんが、母国語が中国語ということもあり、少しゆっくり話す分、話が頭に入りやすいのかもしれません。またお客様との面談では、最初の30分から40分は政治や日本経済の話、お客様が最近行った旅行の話や趣味の話などに時間を割きます。そこで仲が深まりお互いのことを知った状態で、最後の10分、15分で準備していた提案を行います。私のことを信頼いただいた上で、話を聞いていただくのとそうでないのとでは提案に対する結果も大きく違ってくると思っています。ただ雑談をあまりされない方もいらっしゃいますので、その場合は早めに切り上げてご提案に入るようにしています。
―この仕事の魅力を教えてください。
頑張った分、100%もしくは200%報われる点です。年功序列でないところは私にとっては大きな魅力です。そしてなにより、M&Aコンサルタントの仕事は1社1社の存続や発展に繋がるということです。何億円、何十億円の大きな仕事に関わることができるのはなかなかないことですよね。
―今後の目標を教えてください。
もちろん中国現地法人の立ち上げに携わることです!ですがまずはリーダーになり、これまで受けた恩や積んだ経験を活かして、入社間もないメンバーの力になりたいです。
プロフィール
日本M&Aセンター 東日本事業法人2部
趙 楠(ちょう・なん)
1989年生まれ、中国西安市出身。
日本のアニメ(NARUTO -ナルト)が好きで2010年4月に来日。
1年間福岡の日本語学校を経て、広島の大学に進学し新卒で2015年4月に株式会社JTBに入社。入社後、法人営業、修学旅行、スポーツ大会等の業務を経験。2021年8月に日本M&Aセンター転職し、譲受け企業を担当。趣味は寝ることとサッカー・バスケ。