大手飲料会社を経て、2008年4月に日本M&Aセンターに入社した人材戦略部 新卒戦略人事課課長 椛田 國仁さん。M&Aコンサルタントとして13年働いた後、2021年より新卒採用を担当しています。椛田さんにこれまでのキャリアや新人教育で力を入れていること、書類選考や面接で見ているポイントを聞きました。
―新人教育において力を入れていることはありますか。
新卒採用と育成の責任者として新卒戦略人事課を統括しながら、中途採用のフォローも担当しています。課や部署の枠を超えて、社員育成の全社企画にも参加するなどさまざまなプロジェクトにも挑戦しています。
現在の大きなミッションのひとつが新卒社員の即戦力化。日本M&Aセンターはこれまで即戦力となる中途入社の社員の採用割合が多かったのですが、数年前からより優秀な人材が確保しやすい新卒新入社員の比率を増やしています。彼らがすぐに実績を上げられるよう、M&Aコンサルタントとしてのノウハウやスキルをつけるための取り組みを考えています。加えて、新卒の場合は社会人としての立ち振る舞いやコンプライアンス意識の醸成も重要なテーマです。企業理念やパーパスに即したM&Aを行っていくため、教育に力を入れています。
―どういう新卒が活躍していますか。
仕事を毎日コツコツと頑張ることができ、ただ量をこなすだけでなく考えて行動する「考動力」がある人ですね。あとは先輩など社内のリソースを活用することができる人、周囲の人がサポートしたくなる気配りやコミュニケーションができる人が成果を出している印象があります。
―書類選考や面接で見ているポイントはありますか。
書類選考に関しては、大前提として誤字脱字がないかはよく見ています。経営者の方を相手にする仕事で、提出する書類に誤字脱字があるとそれだけで信頼を失いますので、細かなところまで気が回っているかは大事です。また、文章が論理的に展開されているか、ロジカルに起承転結を意識しできているか、第三者が読んでも理解できるようなデータやエビデンスが添えてあるかも大きなポイントです。例えば「棒高跳びで全国1位になりました」といっても競技人口が10万人なのか、1,000人なのかで全然違いますよね。相手がイメージできる、比較し判断できるように具体的でわかりやすい説明ができているかが大事だと思っています。
面接では、TPOに合わせた服装か、質疑応答ができているか、相手に対して良い印象を与えるコミュニケーションが適切に取れているかを見ています。またM&Aコンサルタントには目標達成に対する強い意欲や能力が必要なので、これまでの人生でどのような目標を達成してきたかも聞いています。
―どのような人に応募してほしいですか。
やはり一番は、M&Aを通じて企業の存続と発展に貢献したい、社会貢献をしたいという人ですね。目標達成を通じて自己成長にもつながる仕事なので、そういった意欲の高い方も向いていると思います。
―日本M&Aセンターへの入社理由をお聞かせください。
大きく3つあります。1つ目は、入社時の面接で三宅 卓社長(現日本M&Aセンターホールディングス代表取締役社長)に「日本M&Aセンターは年齢関係なく実績を上げた人が評価される会社です。ハードワークだし、ストレスフルな仕事だけれど、何より社会貢献ができて、ビジネスパーソンとして成長できるビジネスなんだ。それに興味があるんだったらおいで」と言われたことがすごく印象に残っていて、面白い会社だ、挑戦してみたいと思いました。
2つ目は、もし仮に明日会社が倒産したとしても、日本M&Aセンターで働いていたら、次の仕事が見つけやすく、社会人として圧倒的な地力がつくと思ったからです。
3つ目は、父が日本M&Aセンターへの転職を後押ししてくれたからです。私の実家は自営業をしており、叔父が社長、父が専務で年商1億円ほどの会社を営んでいました。父は毎月の資金繰り等、零細企業を経営する大変さを十分に感じていたのだと思います。M&Aコンサルタントという仕事は知らなかったようですが、会社の理念や業務内容等を説明すると「そんな仕事があるなら絶対にやったほうがいい。M&Aはニーズもあるはずだ。もちろん今の会社も素晴らしいけれど、社会のためになるなら挑戦する価値は絶対にある」と言ってくれました。自身の経験をもとに話す父の言葉には説得力がありました。転職後実家に帰った際に、父の会社の決算書を見せてもらい、苦労しているのがよくわかりました。今でも父は「転職して良かったね」と言ってくれています。
―M&Aコンサルタントから人材戦略部に異動されましたね。
入社してから丸13年M&Aコンサルタントとして譲渡企業の担当をしていました。現在の西日本支社や北海道営業所、東京本社、九州支店、さまざまな場所で多くのM&Aに携わりました。若手と関わる中で、M&Aコンサルとして最前線にいるよりも、後進を育て、目標を達成できるように育成の手伝いをしたいと思うようになりました。
M&Aコンサルタントは面白い仕事ですが、退職していく人も一定数います。この仕事はM&Aの成約を経験して初めて仕事の楽しさがわかると思っていて、それを体験しないまま退職する人たちをできるだけ減らしたかったんです。ちょうど日本M&Aセンターホールディングスが「世界No.1のM&A総合企業」を目指すことを掲げた時期でした。その一助になれればと当時立ち上がったばかりの人材戦略部に異動しました。
―M&Aコンサルタントに戻りたいと思うことはありますか。
実をいうとあります。育成の一環で現場に同行するのは楽しいですし、お客様と話をするのが好きです。ですが、日本M&Aセンターの人材戦略部には私以外にもコンサルタント経験のあるベテラン社員が在籍していて、それが強みでもあるので、今の環境で自分の経験を存分に生かしていきたいと思っています。
―椛田さんが歩まれているキャリアは入社当初思い描いていたものですか。
全然違う道を歩んでいます(笑)。入社時は、実績を上げて全社No.1コンサルタントになることを思い描いていました。No.1にはなりませんでしたが、自分のやりたいことに挑戦し続けていて、これは良い意味で想定していなかったことですね。
たとえばM&Aコンサルタント時代、特に力を入れていたのは地方でのM&Aです。実績を多く上げM&A成約件数を増やすためには都心部で活動するほうが移動距離も少なく効率的ではあるのですが、私は日本M&Aセンターにある全国ネットワークを最大限活用し、地方のM&Aを活発にしたいという思いで取り組んでいました。
―今後の目標を教えてください。
M&Aコンサルタントとして働いた先にさまざまな選択肢を選べるよう、多様なキャリアモデルを作りたいです。一定の条件を設定し、その条件を満たせばグループ会社で経験を積むことができたり、会社に出資してもらい起業したり、提携している企業に出向したり、譲受け企業で経営について学ぶ機会を得られたり。M&Aコンサルタントだけでなくさまざまなことに挑戦できる会社にしていきたいです。
プロフィール
日本M&Aセンター 人材戦略部 新卒戦略人事課 課長
椛田 國仁(かばた・くにひと)
1981年生まれ、福岡県出身。
立命館大学卒業後、大手飲料会社で飲食店向け営業に3年間従事。2008年4月に日本M&Aセンターに入社。譲渡企業担当を中心に関西・中四国・九州・北海道・東北などで約50件の成約実績。2021年より人材戦略部へ異動。現在は新卒採用・育成を担当。
趣味はサッカー観戦、酒、音楽を聴くこと。