日本M&Aセンターでは仕事と育児の両立のための制度を整え、社員の活躍をサポートしています。「ベビーシッター利用補助制度」を頻繁に利用するなど、会社の制度を活用しながら子育てをしていて、経験をもとにメンバーが仕事と家庭を両立しやすい環境づくりにも取り組む営業副部長に体験談を聞きました。
―「ベビーシッター利用補助制度」を何度も利用されていると聞きました。活用するようになったきっかけを教えてください。
私も妻も両親が遠方に住んでおり、いざという時に頼る人がいないなかで、当社のベビーシッター利用補助制度を知り、活用しようと出産前から妻と話していました。ベビーシッターに子どもを預けるのが不安という方もいると思いますが、私たちは自立心を養う「フランス式育児」の書籍を読み、その環境づくりのためにもベビーシッターの利用は最適だという結論に至りました。(子どもを子ども扱いしすぎず、「一人の人間」として対等な関係を築くために、一定の距離感を大切にしていきたいという概念です。)
―どのようなときに利用していますか。
主に妻と食事に出かけるときや妻の用事があるときに利用しています。利用時間は目的によりますが、1回あたり2~5時間ほど。子どもがまだ小さいうちはレストランに連れて行きづらかったりもしますが、ベビーシッターを利用することでゆっくり落ち着いて食事ができます。また、ベビーシッターを利用することで妻に息抜きの時間ができ、良い夫婦関係が築けていますね。
昨年は結婚式を挙げ、式場との打ち合わせもたくさんあったので、1カ月で8回利用した月もありました。区の一時保育も利用していますが、予約が埋まっていて利用できないこともあるので会社の補助制度を併用できとても助かっています。
―お願いするときに気をつけていることはありますか。
ベビーシッターを利用したとしても、子どもの生活リズムはいつもと同じように整えるようにしています。毎回申し送りの時間があるので、ルーティンを変えないように、紙にお願いしたいことを時間帯と併せて記載してお渡ししています。あとは、部屋にカメラを設置しておくことで、預けている側の心理的安全性は担保していました。
―会社の制度についてどう感じていますか。
経済的な負担から、会社からの補助がなければ気軽には使えていなかったと思います。ベビーシッターを利用することで、日常的な制限が減ることは家庭にとってプラスしかありません。区からも利用補助が出るのですが、区によって内容は異なりますし、会社の補助は、最初に利用登録をするだけで補助を差し引いた額が請求されるので、利用報告が不要なのもありがたいですね。
家庭を幸せにするために仕事をしているのに、M&Aコンサルタントはハードな仕事で家族にストレスをかけることが多々あります。私は家族が応援したくなる働き方が必要だと考えているので、ベビーシッターに限らず、当社の制度をうまく活用しながら生産性を上げていきたいですね。
―育児に積極的に取り組みながら、M&Aコンサルタントの仕事をするためにはどんな工夫が必要だと思いますか。
これは育児に限った話ではないですが、1つ目は、どこでも仕事ができる人間になることです。私は子どもが生まれたとき、ディールが5~6件同時進行している状況でした。産後1カ月の母親はなるべくベッドの上で安静にする必要があります。その時期はどうやってこなしていたのか記憶がないくらい大変でしたが、仕事はお客様とのコミュニケーションや判断を止めないことが重要と考え、直接お会いできなくても電話・メール・WEB面談を駆使して乗り切りました。 本質的な仕事の仕方を心掛けるだけでも、高い生産性が維持できたことは新たな気づきでした。
2つ目は、普段からお客様との信頼関係を構築することです。会社としての対応ではなく、一人の人間として普段から会話することを意識することで、家庭の事情は理解していただけました。実際に出産前後の場面では、先にそういった雑談をよくしていたので、お客様の出産・育児経験を教えてくださったりと顧客理解が深まったり、私が子どもを抱きながら電話をしていても、気にせず会話してくださりプラスな面が多かったように感じます。
つまり、どんな工夫が必要か?という部分では、当たり前のことだと思いますが、お客様にレスポンスを速くすることや、コミュニケーションを中途半端に終わらせないことを常に意識する必要があると思います。私は毎回、お客様との会話で「このような解釈で良いか?」「先方にはこのような伝え方で良いか?」「こういった反応をされたらどう判断するか?」等、仲介者として正しい伝達・判断をできるように対話することを意識しています。この仕事において重要なのは、なるべく想定外や誤解を生じさせないようにすることだと思っています。
また、たまたまですが、私は前職が人材紹介会社でしたので、「仲介業」に長く携わってきた経験から、片方の要望を相手がどうリアクションするか、当事者になった気持ちで仮説したり、準備したりすることの大切さを学んできました。生産性や顧客満足度という観点においては、コミュニケーションコストが大きく影響すると思っています。一つのことを伝えるだけでも、伝え方によって、受け取り方が千差万別になることがこの仕事の奥深い部分です。そういう意味では、M&Aという仕事は、数字だけでは表せない要素も大きく、意図をしっかり汲み、お客様に正しく情報を伝えられているかという細かい所作の積み重ねが大切ではないかと思います。
―副部長として、メンバーの仕事と家庭の両立実現のためにされていることはありますか。
交流やお祝いを大切にすることは皆さんされていると思いますが、私自身が日常的に家族との時間や家庭への協力を大事にしていることをメンバーに対してオープンにすることで、メンバーの家族や恋人も安心すると思うんです。部の成果に直結するものではありませんが、仕事に取り組むうえで家族の理解や支持は得やすくなると思っています。成約や目標達成等、自分が嬉しいことをパートナーからも喜んでもらい、楽しく仕事をしてもらいたいですね。
―今後の目標を教えてください。
私は、お客様が実現したい目標や理想を叶える手段としてM&Aを活用していただき、結果お客様と深い人間関係を築いていけることが、この仕事のすごく好きな所です。感謝いただけることはもちろんですが、お客様の気づきになれたり、どのようなことも相談していただけるようになることは、この仕事のやりがいです。私の部署は「成長戦略部」ですから、個人のコンサルティング力を高めて、真剣にお客様の成長戦略を考え、実現に導いていけるチームにしていきたいです。
(プロフィール)
日本M&Aセンター 成長戦略2部 副部長
福岡県出身、横浜市立大卒。大手人材会社で経営幹部をターゲットとしたエージェント業務に従事した後、2016年に日本M&Aセンター入社。大手証券会社との提携立ち上げ業務を経て、2019年に当部設立メンバーとして、「成長戦略型M&A」を提唱。これまで20組以上の成約を主導し、現在はチームマネジメントにも従事。全株式譲渡ならず、段階譲渡、事業譲渡、アーンアウト、会社分割、上場戦略、カーブアウトなど、様々なスキームで譲渡サイドの自己実現に寄与。また、上場・未上場・ファンド等、買手の種類問わず買収支援も多数経験(ファイナンスの支援経験も多数あり)。趣味はバスケットボール。