
2026年4月21日、国内最大級のM&A・事業承継支援プラットフォームを運営する株式会社バトンズが東証グロース市場へ新規上場を果たしました。「上場はゴールではなく、社会インフラとしてのスタートライン」――。同日開催された記者会見で神瀬 悠一代表取締役CEOが語った言葉には、日本の構造課題に真正面から向き合う強い使命感が込められていました。

2026年4月21日、日本経済の心臓部である東京証券取引所内の兜クラブ(記者クラブ)は、独特の緊張感と熱気に包まれていました。この日、東証グロース市場への新規上場を果たした株式会社バトンズ。会見場に現れた神瀬CEOの表情には、創業以来掲げ続けてきた「誰でも、何処でも、簡単に、自由に、M&Aが出来る社会を実現する」というビジョンがいよいよ新たなステージへと歩み出したことへの、確かな手応えが滲んでいました。かつては「特別な」「限られた企業しか選択できない」経営戦略という印象が強かったM&Aを、誰もが活用できる選択肢へと変えていく――バトンズが、日本経済を支える社会インフラとしての第一歩を、確かに踏み出した瞬間でした。
【バトンズの歩み】
2013年 日本M&Aセンター内で「@net」として会計事務所向けにM&A支援ツールを提供開始
2017年 一般事業者向けにサービス提供を開始
2018年 日本M&AセンターからM&Aプラットフォーム事業を分社化し、アンドビズ株式会社設立。同年10月、サービス名を「BATONZ(バトンズ)」に改称
2019年 株式会社バトンズへ商号変更
2020年 M&A専門家向け「BATONZパートナープログラム」開始。プレミアム会員サービスも順次開始
2022年 金融機関専用M&A支援システム「B MASS」提供開始。本社を築地へ移転
2025年 人材紹介サービス「LANNERZ」の提供を開始
2026年 東証グロース市場へ新規上場
バトンズの歩みは、M&Aの概念を「特別なもの」から「身近な選択肢」へと書き換える挑戦の連続でした。かつてM&Aといえば、一部の大企業に限られた戦略という印象が強く、中小企業やスタートアップにとっては心理的にも物理的にも遠い存在でした。
バトンズはテクノロジー(DX)の力も活用することで、その距離を縮めてきました。M&Aプロセスのデジタル化によってマッチングを効率化することで、中小企業やスタートアップであってもM&Aを当たり前に選択肢に加えられる環境を構築。同時に、単なる効率化に留まらず「安心安全な環境整備」を戦略の柱に据え、プラットフォームとしての信頼性を磨き続けてきました。
小規模な事業承継から上場企業の成長戦略まで幅広く手がけ、構造課題の解決に挑み続けた結果、今では累計成約実績3,315組、買い手登録数30万人超、パートナー支援機関約2,000社を誇る国内最大級の総合プラットフォームへと成長を遂げています。
バトンズ プラットフォーム規模(2026年2月末現在、出典:有価証券報告書)
累計成約実績 :3,315 組
買い手登録数 :303,275 人
交渉可能案件数 :10,673 件
パートナー支援機関 :1,968 社
「なぜ、このタイミングで上場という決断に至ったのか」——。記者からの問いに対し、神瀬CEOは、日本のM&A・事業承継市場を取り巻く環境変化を挙げました。
現在、M&A市場は年率10〜20%規模の2桁成長が続いています。その背景にあるのは、後継者不在という構造課題だけではありません。近年では、企業価値向上や非連続な成長を目的に、M&Aを戦略的に活用する若手・中堅経営者が増え、M&Aは「特別な選択肢」から「現実的な経営手段」へと変わりつつあります。
投資家の皆様や社会からご期待いただいていることへの喜びを感じると同時に、その期待に応えていかなければならないという身の引き締まる思いを抱いています。M&A市場は2桁成長が見込まれており、当社としても、その成長率をきちんとアウトパフォームする売上成長を、計画に基づき着実に実行していきます。

こうした中でバトンズが目指すのは、単なるマッチングサービスの提供ではありません。全国の経営者が安心して意思決定できる環境を整え、M&Aを支える信頼の基盤としての役割を果たすこと。そのために必要なのが、上場企業としての透明性、信頼性、そして社会的責任だといいます。
成約の先には、譲渡オーナーの新たな人生と、譲受企業の次なる挑戦があります。その重要な意思決定を支える基盤として、より多くの経営者に安心を届ける——。それが、バトンズが「今、上場する」理由でした。
質疑応答で特に注目を集めたのは、上場を機にバトンズがどのような成長を描いていくのか、という点でした。神瀬CEOは、今後の成長の方向性としてAIの活用を含むテクノロジー投資に言及しました。案件分析や資料作成、マッチング判断といったプロセスにおいて、テクノロジーの活用を進めることで、成約までのスピードと精度を高めていく考えです。
また、バトンズのもう一つの強みが、全国に広がる専門家ネットワークです。税理士・公認会計士・地域金融機関・M&Aアドバイザーなど、約2,000社に及ぶパートナーと連携することで、地域や案件規模を問わず支援できる体制を構築してきました。今後はこのネットワークとテクノロジーをさらに融合させることで、これまで支援が難しかった小規模案件や地方案件にも、より確実にM&Aの選択肢を届けていくとしています。
市場全体が成長を続ける中で、その流れを着実に捉えながら、自社としての成長を積み重ねていく——。神瀬CEOの言葉からは、上場後を見据えた現実的で持続的な成長への姿勢がうかがえました。

会見の終盤、神瀬CEOは、上場を一つの節目としながらも、ここからが新たなスタートになるという考えを語りました。上場はゴールではなく、より多くの経営者に安心と選択肢を届けていくための通過点であり、社会的な責任を担う立場として歩みを進めていく——。その姿勢が、言葉の端々から伝わってきました。
M&Aは、事業の終わりを意味するものではなく、次の成長や新たな人生へのバトンタッチである。その考え方を、より多くの経営者にとって身近なものにしていくことが、バトンズの挑戦です。
会見を通じて印象的だったのは、上場による高揚感以上に、これから先を見据えた落ち着いた視線でした。M&Aを誰もが当たり前に選べる社会へ。バトンズはその実現に向け、着実に歩みを重ねていきます。

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