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M&Aのプロに聞く!家族会議で伝えるべき「3つのポイント」とは?

M&Aのプロに聞く!家族会議で伝えるべき「3つのポイント」とは?

会社について家族と話し合うため、いざ家族会議をしてみようと思っても、いったい何から話したらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。これまで多くの家族会議の現場に立ち会ってきたM&A・事業承継のプロフェッショナルである日本M&Aセンター 事業承継エグゼクティブアドバイザー 長坂 道広さんに、会社の未来を考える家族会議を開くうえで経営者が家族に伝えておきたいポイントを聞きました。


※本記事は、日本M&Aセンター広報誌「MAVITA」VOL.5からの転載です。

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家族は会社の“本当の姿”や“想い”を意外と知らない!?


伝えること1:事業(業務内容・歴史/経営理念・会社の特徴・将来性・業界・財務)

経営者は「自分の家族は会社のことをある程度わかっているだろう」と思いがちですが、意外と理解されていないのがこの「事業」です。たとえば一口に運送会社といっても、食品を運んでいるのか、食品の中でも常温なのか冷蔵なのか、どこに配達しているのか、どんな会社と取引があるのか、どのくらいの取引規模なのかなど、詳細は知られていないものです。自社の強みや今後の展望を経営者目線で伝えるのも大事ですし、客観的な業界動向や自社の将来についての分析も伝えてほしいと思います。

伝えること2:考え・想い(承継に対する考え・想い/会社、地域、社員への想い)

会社を家族に継がせたい・継がせたくないに関わらず、事業承継に関する自身の考えを言語化して共有することをおすすめします。

よくある事例が「子どもに会社を継がせたい気持ちが全くないわけではないが、同じような苦労はさせたくない」という親心から相談せずにM&Aを進めるケースです。しかし、親が会社をどうするのか気にしている子どももいます。M&A後に子どもが「本当は継がせたかったのではないか」「自分が経営者向きだったら継げたのかもしれない」と悶々としたという話はよく聞きます。事業承継を考えるタイミングを迎えたその時には、意識的にコミュニケーションをとることが重要で、後継者となりうる方が身近にいる場合には承継についての考えを共有することが必須です。

伝えること3:知識(3つの承継方法・2種類の株価・税金)

事業承継の方法には大きく①親族承継、②社員承継、③M&Aの3つがあります。まずはすべての選択肢をテーブルに乗せ、家族と知識を共有することからスタートしましょう。それぞれにメリット、デメリットがありますが、M&Aに関してはほかの2つの選択肢と違って後継者の「顔」が見えず、会社の未来の姿がイメージしづらいもの。知識を補うためにM&A仲介会社などM&Aのわかる専門家に同席してもらうのも一つの手です。承継方法によって、承継後の財産内容や、会社との関わり方も異なりますので、そのことを理解してもらうのも決断の一助になります。

特にしっかりお話しいただきたいのが「会社への想い」と「苦労話」

会社を興した時の志や、2代目であれば自分が会社を継いだ時の状況や感じていたこと。経営者としての「原点」となる経験や経営理念などは、機会がなければ家族に話すことは多くありません。苦労する姿を家族に見せるのはあえて避けてきたという方もいらっしゃるかもしれませんが、話してみたときの家族の反応から新たな発見もあることでしょう。この機会に歴史をたどりながら会社・地域・社員への想いを言語化してみていただきたいです。


プロフィール
日本M&Aセンター 事業承継エグゼクティブアドバイザー
ネクストナビ 取締役
青山財産ネットワークス 取締役
長坂 道広(ながさか・みちひろ)

事業承継に30年超携わり、M&A仲介を多数経験。関係者が納得できるM&A以外の承継手法も提供できるよう、日本M&Aセンターと青山財産ネットワークスの協力により事業承継ナビゲーター(現:ネクストナビ)を設立、初代代表取締役副社長に就任。現在も事業承継に悩む現役の経営者向けに幅広くコンサルティングを行っている。