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「打率を上げるために打数を増やす」 M&Aコンサルタントと酒蔵オーナーの二刀流を目指したい

「打率を上げるために打数を増やす」 M&Aコンサルタントと酒蔵オーナーの二刀流を目指したい

日本M&Aセンター中四国支店の入社7年目、東田 昌太さん。主に会社の譲渡を考える経営者に関わるM&Aコンサルタントとして、日々大事にしている考えや仕事への取り組み、そしてビジネスパーソンとして目指すこれからのビジョンを聞きました。

原体験は祖父の工務店の廃業
経営者の力になるためM&A業界へ

私の祖父は、広島県の呉市で工務店を経営していました。私の実家も祖父が建ててくれて、今でも実家に帰るたびに、家ができるまでの記憶を思い出すんですけど、ただ、私の父は教師をしていたので祖父の後を継ぐことはなく、結果として廃業しました。いつも仕事着で帰ってきていた祖父の姿を見ることができなくなったのはさみしかったですね。前職の銀行員時代にも、多くの経営者が廃業していく姿を目の当たりにして、もっとダイレクトに経営者の力になりたいと思っていた時に日本M&Aセンターに出会い、入社を決断しました。

M&Aコンサルタントとして経営者の方と関わる中で見えてきたこととしては、常にポジティブでアグレッシブというより、実はネガティブな部分が大きい方もいて、“孤独”だということです。なかなか相談できる人もいないし、それこそ社員に相談したら社長大丈夫かと思われますし、ネガティブな感情は言えないという経営者は多いです。そこにアプローチできて、経営者の悩みや不安を解消できるのは、M&Aコンサルタントの醍醐味でもあると思います。私の担当は、中四国の金融機関からご紹介いただく案件が大半を占めています。譲渡企業の経営者と金融機関は、預金や融資、個人取引など、私たちよりもはるかに長く関わりがあり、長い時間をかけて構築された信頼関係があります。M&Aが必要な時に私たちの出番が回ってくるわけですが、私たちが関わることで、その信頼関係が絶対に壊れるうことのないよう、両者の歴史や背景を知ること、そしてそこに最大の敬意を払うことを第一に考えています。

M&Aは、会社にとってもそうですが、社長のその後の人生を左右する大事な決断でもあるので、目先のことだけではなく、長い目で考えて検討しましょうという言葉は必ず伝えています。
社長の話はこれでもかというくらい聞いて、私からも気になることや課題をお伝えします。そのうえで、M&Aを選択するかしないか判断をしてもらう。仕事のことはもちろん、プライベートの話もしっかり聞くことは心掛けていますね。社長の生活サイクルが見えてくれば考え方もわかってくるんですよね。釣りが好きなら一緒に行ったり、野球を見に行ったりもします。広島であればもちろんカープ戦です!そうすると距離も必然的に近くなりますよね。いかに本音で話をしてもらえるようになるか、これがM&Aを進めるうえで重要な部分だと思っています。

打数より打率を重視して
苦しんだ入社直後

入社当時は、まず成約することを考えて確率の高いほうを目指していましたが、それでは全くノウハウがたまらなかった、これは苦い経験です。それを機に、打数を増やすため行動量を意識するようにしました。結果として提携先の金融機関の多くの方と面識ができ、地域の事情に詳しくなりました。経営者の方とも多く会えますので、色々な業界に詳しくなります。そうすると、自分の面談の質も上がってきます。これを繰り返していると、どこかのタイミングで量から質に転換する時がきます。私はもともと成長が遅いタイプなので、量から質に転換するのに時間はかかりましたが、失敗と成功の両方の経験が増えて、成功を自分の中に蓄積していくことができました。うまく仕事が回るようになりましたし、間違いなくやった価値はありましたね。打数を増やして打率も上げる、行動量は活躍するための土台になるもので、土台がしっかりしているとパフォーマンスは崩れない。とはいえ、家と同じで土台は劣化するものなので、常に新しい土台を作り続けることが、長い間安定して成果を出すためには必要だと思っています。

私は同じ場所で仕事をするよりも、いろんな地域に行って、いろんな地域の経営者と話がしたかったので、このM&Aコンサルタントの仕事は合っていると思っています。仕事のやり方や動き方だけを聞くと毎日朝から晩まで・・・みたいな印象を持たれる方もいるかもしれないですけど、私の場合は日本M&Aセンターに入社して家族と過ごす時間が増えました。一番意外な部分でしたが、スケジュールの組み方は自分次第ですし、会社自体も家族最優先と言ってくれています。プライベートが充実すると仕事もはかどるので、リーダーを務めるグループのメンバーにもそうしたほうがいいと伝えています。

東田家お気に入りの宮島にて

中四国支店をもっと大きく
そして地元広島に貢献したい

地元は好きですね。生まれ故郷でもありますし。家族も広島が好きと言ってくれています。妻は東京の下町出身で、娘も幼少期を東京で過ごしていますが、今では広島を好きになってくれています。家族で好きなのは宮島で、年に何回も行くんですけど、その中で年に数回、宮島の宿に泊まるのが我が家の恒例行事になっています。あとは尾道と音戸の瀬戸が好きです。この3つはおすすめの場所です。中学卒業と同時に広島を離れたので、離れたことによって広島への愛はすごく強くなりましたし、広島に貢献したいという気持ちも強くなりました。

もっと広島に貢献していくためには、中四国支店がさらにスケールさせていく必要があると思っています。中四国支店のメンバーとして、とにかく成約を増やして、支店メンバーを増やしていくことに貢献したいです中四国にアクセスできる人を増やすことが地域創生にもつながると思っています。広島は酒どころでもあるんですけど、継ぎ手不足でなくなっていく蔵も多くあるので、いつか酒蔵を承継してみたいという気持ちはあります。日本酒が好きということもあるんですが、日本が誇る文化でもあるので、残していかないといけないと思っています。M&Aコンサルタントと酒蔵オーナーの二刀流は、まだ漠然としていますが広島で実現できたらいいなと思いますね。

そしてもう1つは、M&Aをもっと知ってもらうことです。23年の7月には愛媛の松山南高校で出前授業をやりましたが、やっぱり後継者がいない会社が多いことや、私たちのような企業と企業をつなぐ人がいることをこれからも伝えていきたいですし、近い将来、なりたい職業ランキングでM&Aコンサルタントが出てくるようになったら、すごく嬉しいですね。

プロフィール

日本M&Aセンター 西日本地域金融部 グループリーダー 
東田 昌太(ひがしだ・しょうた)
メガバンクを経て2017年9月に日本M&Aセンターに入社。
主に譲渡企業の担当として、中四国エリアで多くの成約実績を持つ。
広島県呉市出身。38歳。元高校球児。