• People
  • 意見の裏にある背景を知る ~自由闊達な議論でベストな結論を~

意見の裏にある背景を知る ~自由闊達な議論でベストな結論を~

意見の裏にある背景を知る ~自由闊達な議論でベストな結論を~

日本M&Aセンターグループは、「最高のM&Aをより身近に」というパーパス実現に向けて、8つのフィロソフィーを掲げています。

そこで、「#わたしたちのフィロソフィー」と題し、営業本部をけん引する11チャネルのトップにインタビュー企画をお届けいたします。

今回は、業界再編チャネル部長の瀬谷 祐介(せや・ゆうすけ)さんです。

人生を懸ける覚悟で、夢中になれる仕事がしたい

――はじめに、業界再編チャネルの役割について教えてください。

少子高齢化で人口減少が進む日本において、各業界が事業を継続、発展させるためには生産性の向上が不可欠です。生産性が上がれば、生み出す付加価値が増え、働く人の賃金も上がり、消費につながり経済が活気づきます。それを実現する最大の手段がM&Aです。M&Aによって業界を再編することで企業や業界全体の生産性を上げていこうというのが業界再編チャネルのミッションであり、このミッションを業界の未来をつくるリーディングカンパニーとともに実現していくことが役割です。

また、業種に特化した専門性の高いM&Aのノウハウを社内に横展開することで、顧客満足の向上や、競合差別化、会社全体の成約率の向上にもつなげたいと思っています。

――ほかのM&A仲介会社でも業種に特化したM&Aサービスを提供するようになってきましたが、日本M&Aセンターの強みはどこにありますか。

専門性を突き詰めていく上で重要な経験と実績を積み重ねてきていることです。日本M&Aセンターは私が入社した2012年に調剤薬局業界に特化したM&A支援を始めて以来、IT、食品、製造、物流と様々な業種に特化した部隊を組成し、多くの成約実績があります。失敗も含めた多くの経験に学び、そこで成功したノウハウをお客様に提供しています。

また、例えば製造とひと口に言っても、金型や機械加工、メッキ処理など専門分野があります。それぞれ、どんな譲受け企業がいて、どんな論点があり、株価の適正値はどうか等、担当コンサルタントがそれぞれの分野に精通した話ができるかという点でも、業界経験者が多く在籍していることや、これまでのM&A実績が強みとなっています。

――瀬谷さんはなぜこの仕事を選ばれたのですか。

私は学生の頃から経営者の自伝や書籍を読むのが大好きで、将来は経営者を相手に仕事がしたいと思っていました。最初の就職先は大手証券会社で、その後外資系金融機関に転職した時にリーマンショックが起きます。その時に、「やればやっただけこちらの収益に反して、お客様に損失を与えてしまっていた。これまで自分がしてきたことは何だったのか」と思ったのです。そこで、「次の仕事は、やればやっただけ顧客や社会にプラスになる仕事がしたい、人生を懸ける覚悟で、アクセルベタ踏みで夢中になれる仕事がしたい」と考えました。厳しい環境の中で、今の自分には難易度が高いと思われる仕事に主体的に挑戦し、その中でビジネスパーソンとして、人間として成長できる環境を求めて、出会ったのが日本M&Aセンターでした。

――入社していかがでしたか。

とにかく今、仕事が楽しいです。特に譲渡オーナーの経営者人生をお聞きするのがとても好きです。経営者の生き方ってかっこいいなと思います。リスクをとって、社会のため、自分の成長のために夢に向かって一生懸命に頑張っている方ばかりです。私は経営者に限らず、職人やスポーツ選手の姿にも同じように感動するのですが、仕事において一番身近に学ぶことができる存在が経営者なので、この仕事を選んで本当に良かったと思います。

意見の裏には表に出てこない背景が必ずある

――フィロソフィーの1つである「自由闊達な議論でベストな結論を」はなぜ日本M&Aセンターに必要だと思われますか。

皆が同じ価値観、バックボーン、考え方であれば、多様な意見も生まれないので議論する必要もなく、リーダーの意思決定で突き進めばいいと思います。しかし、そんな組織は存在しませんし、日本M&Aセンターのように会社の規模が大きくなれば様々な意見が出るのが当たり前で、自分の価値観や考え方とは相容れない意見と接する機会も多くなるでしょう。そうした時に、お互いが自分の意見を一方的に主張するだけでは、結果、声の大きな人の意見が通る組織になってベストな結論は生まれず、周りの納得感も得られません。

特にM&Aコンサルタントという仕事は、譲渡企業と譲受け企業という利害が反する2社の間に立って交渉を進めていきますので、お互いの意見がぶつかる場面も出てきます。そうした時は、ただ意見を主張し合うのではなくて、相手の意見の背景を考えるようにしています。意見の裏には表に出てこない背景が必ずあるはずで、それを理解するにはしっかり対話して議論しなければ知ることができません。逆に言えば、そこが理解できればお互いに納得感が得られる結論を導き出すことができると思っています。

――お客様と向き合う上で意識していることはありますか。

M&Aという選択肢を提案する上で意識していることはあります。
客観的な情報だけみたらM&Aが必要だというケースはたくさんあるんです。例えば、後継者がいないとか、業績が良くないとか、再編が進んでいる業種だとか。データや状況といった事実だけを並べればM&Aをしたほうがいい。でも、それでも迷われる経営者はたくさんいます。ご自身でもM&Aしたほうがいいと思っていても5年、10年かけて決断する方もいる。私は、その背景を聞かずにM&Aを提案することはしません。そんなことをしたら、「お前はこれまでの俺の経営者人生の何を知ってるっていうんだ」と思うでしょうし、ベストな結論は絶対に出せませんから。ですから、創業者であればまずは創業時の想いをお聞きしますし、これまでどんなことがあったのか、現時点でどう考えているのかをしっかりお聞きします。その上で、すべての選択肢、現時点でのお考え、価値観を同じテーブルにのせてフラットな状態で議論をして、M&Aがベストな選択だと思えば強く提案します。そうでなければM&Aを提案しないこともあります。M&Aありきの話は絶対にしないですね。