大手証券会社を経て2021年3月に日本M&Aセンターに入社し、企業に買収提案を行う部門に所属している東日本事業法人2部 田中 啓介さん。入社以来目標を達成し続け、直近2年間は担当した案件すべてを成約に導いています。田中さんに、M&Aコンサルタントのリアルな働き方や成果を出す秘訣を聞きました。(2025年2月取材)
―前職について教えてください。
新卒で大手証券会社に入社し、株や債券を法人、個人のお客様に販売していました。日本M&Aセンターの東京本社の周辺でも飛び込み営業をしていました。
―どうして転職を決意されたんですか。
前職時代の先輩が、証券会社の花形部署である投資銀行部門への異動を希望し、実際に異動されたのですが、1年で退職して日本M&Aセンターに入社したんです。あれだけ希望していた部署に行けた人がどうして転職したのかと思い、日本M&Aセンターに興味を持ちました。調べていくなかで、人の人生に関われるような仕事ができることに魅力を感じ、私も応募しました。
―入社前後で日本M&Aセンターの印象は違いましたか。
先輩からある程度話を聞いていたこともあり、入社前とのギャップはありませんでした。ただ、個人で動くことが多いと思っていましたが、実際にはチームで動くことが多く、上司も積極的に関わってくれる環境でいい意味でのギャップがありました。
入社したての頃は、お客様を訪問するときも先輩が同行してくれますし、困りごとにも皆さんフランクに答えてくれます。ディールが始まれば、相手企業の担当者や上司も巻き込み、一つのチームとなって交渉を進めていきます。スキームや法律などの専門的知識を必要とする場面では、社内の専門家に協力してもらったりもします。
―働き方について具体的に教えてください。
日によりますが、昨日は7時半に起きて1時間後の新幹線で静岡に行き、進行中のディールのデューデリジェンス報告会に立ち合いました。判明したリスク等をふまえ、今後どのように交渉を進め最終契約を行うのか、3時間ほどお客様と話し合いました。
そのあと、夜に大阪で別のお客様との会食の予定があったので、そのための資料を作成しました。相手企業の担当者と会食のシナリオ打ち合わせを1時間ほどしてから会食に向かいました。21時の会食終了後、東京の自宅に帰ったのは0時ごろです。地方に宿泊することもありますが、翌朝東京で予定があったので帰宅しました。
―予定がパンパンですね!
なので、昼食はあまりとらないんです(笑)。前職からの癖で、昼食をとる時間があるなら仕事したいと思ってしまって…。朝も食べませんが、15時ぐらいに軽くパンなどを食べています。
―体調管理はどのようにされていますか。
去年からパーソナルジムに通い、週1回筋トレをして、仕事が休みの日に1時間くらいトレーニングしています。他にもカロリー計算ができるアプリも使って体調を管理しています。食事内容を打ち込むとカロリー計算まで自動でしてくれるので手軽に活用できています。
―田中さんは入社して丸3年ですが、ずっと目標を達成されていて成約率も高いとか。
日本M&Aセンターの成約率は他社と比較して高い方だと思いますが、その当社の中でも高い方だと自負しています。直近2年間担当した案件はすべて成約しています。
―秘訣を教えてください。
日本M&Aセンターに入社してから緻密に計画を立てるようになりました。M&Aは利害関係者がたくさんいる中で進めていかないといけないものなので、行き当たりばったりでどうにかできるような仕事ではありません。1つの案件をとっても、具体的にスケジュールを立てていきます。私の場合は、Outlookとデスクトップに置いているメモで管理していて、対応事項や締め切りなどを重要度と緊急度で4分類しています。
また、通常譲渡企業には譲渡企業担当がお会いし、譲受け企業には譲受け企業担当がお会いしますが、私の場合は、自分の担当企業だけでなく相手企業との面談にも同席させてもらっています。M&Aでは小さな感情の変化やニュアンスを汲み取る必要があり、それは実際にお客様にお会いしないとわかりません。双方の面談に同席することで、情報をタイムリーに把握することもできます。M&Aはちょっとした食い違いでうまくいかなくなるので、案件がスタートしたらみんなチームだと思ってやっています。
―面談数が2倍になり大変そうですが、そこまでするようになった理由は。
入社1年目の頃、お客様の言葉をそのまま伝えるだけで自分の意見が言えず、なかなか成約できずにいたときに、当時の上司から「伝書鳩はM&Aでは通用しないよ」と言われました。正直すごく落ち込みました。でも上司は、私が価値を発揮できるよう、具体的にいくつかアドバイスをしてくれました。その一つが「すべての面談に同席すること」だったんです。アドバイスを実践することで、どんどん成約率は上がっていきました。
前職でも数字を意識して仕事をしてきたので、純粋に負けたくないという気持ちで最後のひと踏ん張りができているんだと思います。同じ部署に同期が3人いるので、今後も高め合っていきたいです。
―日本M&Aセンターに入ったからこそ得られた強みはどんなところだと思いますか。
お客様が何を考えていて、どういう解決策を提供できればより幸せになれるのかを常に考えるようになり、コンサルティング力が高まったのではと思います。さまざまな業界に関して詳しくなり、財務的な知識も増えました。
―田中さんが大切にしている考え方はありますか。
お客様にとってプラスになれるような動きをすることは常に意識しています。私たちのお客様は基本的に経営者で非常に忙しい方が多いです。そんな中でもわざわざ会っていただけるからには、メリットを感じていただきたいと思っています。
―今後の目標をお願いします。
まずは成約件数を積み重ねていきたいです。長期的にはさらに経験の幅を広げていきたいとも思っていて、PMI(M&A後の経営統合)やファンド、ミッドキャップ案件にも携わってみたいです。新しいことに挑戦するのが好きなんだと思います。
プロフィール
日本M&Aセンター 北海道営業所
田中 啓介(たなか・けいすけ)
1994年生まれ、東京都出身。
学習院大学卒業後、大手証券会社で法人・個人営業を経験。2021年3月に日本M&Aセンター入社。主に譲受け企業を担当し多くの実績を持つ。趣味はサッカー。
※取材時は、東日本事業法人2部所属。