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“自分らしいリーダーシップスタイルを見つける” 13社が業種を越え取り組む女性のキャリア支援。

“自分らしいリーダーシップスタイルを見つける” 13社が業種を越え取り組む女性のキャリア支援。

女性の活躍支援に積極的に取り組む企業が業種横断で参画する「異業種ビジネスリーダーシップ塾2024 ~しなやかに、一歩前に~ 」。ロールモデルやベストプラクティスは一企業組織の枠内に留めておくべきではない、また他業界・他企業から学べることは多いはずという考えのもと、2007年から開催しています。2024年7月9日に今年度の第1回プログラムが開催され、様々な業種の企業 13 社から将来のリーダーとして期待される約 70 名の女性中堅社員が集結。それぞれがリーダーシップの形について考える一日となりました。

異業種ビジネスリーダーシップ塾2024 参加企業(五十音順)

サッポロホールディングス株式会社、太陽誘電株式会社、株式会社大和総研、DXC テクノロジー・ジャパン株式会社、トランスコスモス株式会社、株式会社日本M&Aセンターホールディングス、株式会社日本HP、日本ヒューレット・パッカード合同会社、古河電気工業株式会社、株式会社丸井グループ、三菱鉛筆株式会社、三菱ケミカルエンジニアリング株式会社、株式会社 明治

将来のリーダー約70名がキャリアについて共に考える

「異業種ビジネスリーダーシップ塾」は、2007年に日本ヒューレット・パッカード株式会社の呼びかけにより、女性活躍支援に積極的に取り組む日系・外資企業が参加してスタートしました。現在は、複数企業による共催・協賛の形でプログラムを実施しています。

7月9日、東京・恵比寿のサッポロホールディングス本社にて第1回プログラムが開催され、13社から総勢70名以上の女性中堅社員が参加しました。基調講演やパネルディスカッションで登壇者の経験談を聞き、グループワークで感想や意見を共有しあったほか、自身のこれまでのキャリアを紹介し、参加者同士の交流も深められました。

開会挨拶をしたサッポロホールディングス株式会社 吉原 正通 人事部長 「心理的安全性の高い社外での気づきや学びを持ち帰り、ぜひ活用を」
基調講演を行う伊藤久美さん「人の良いところを見つけて、自分なりのパーツモデルを作り目指してほしい」

基調講演では、株式会社良品計画 社外取締役、SOMPOホールディングス 社外取締役、筑波大学 理事等を務める伊藤久美氏が「専業主婦から始まる、ライフシフト時代のキャリアの生まれ方」をテーマに講演。伊藤さんはご自身の様々なキャリア経験とこれまでの取り組みを生き生きと語り、ユーモアあふれるエピソードに、時折会場では笑いも起こり、参加者は興味深く耳を傾けました。

不連続に見えるようなキャリアでも、チャンスは転がっている

ジャズに魅了されシンガーを目指した学生時代。昼間は働いておこうという動機で入社した企業の経営企画部門での経験、ご家族の転勤先での出産、外資系IT企業への転職、子供を連れての海外赴任、外資系ヘルスケア企業でのマーケティング最高責任者就任やベンチャー企業への挑戦等、数々の大きな環境の変化の中、キャリアを積まれてきた伊藤さん。一見華々しく順調に見えるものの、そこには時代背景特有の問題や、現代の女性が抱えるキャリア課題、葛藤もあったといいます。

 そんな中、伊藤さんを支えてきたのは、「キャリアの8割は偶然の出来事で決まる」というプランド・ハップンスタンスの考えでした。一見不連続に見えるようなキャリアでも、結果的には自身や周囲にとっても満足すべきキャリアにつながったというご自身の経験から、「チャンスはどこに転がっているかわからない。新たな分野に積極的に関わる姿勢と、先ずは挑戦してみるという行動力が大切」と語りました。

 また最後には、「ロールモデルを探すのではなく、パーツモデルを組み合わせよう」と呼びかけました。すべてが完璧なロールモデルはいないとし、コミュニケーションやファッション、メールの書き方等、それぞれの分野で自分がいいなと思う人の特徴をとらえて目指すという考え方を伝授し、講演を締めくくりました。

リーダーシップスタイルは三者三様

パネルディスカッションでは、参加企業の中から管理職経験のある3名のパネリスト、株式会社大和総研 システムマネジメント本部 基盤技術第一部 部長 小松 優子さん、株式会社 日本HP 執行役員 カスタマーサポート統括 本部長 室屋 智子さん、株式会社日本M&Aセンター  取締役 上席執行役員 仲川 薫さんにご登壇いただき、管理職になってからの経験や変化、自身のリーダーシップスタイル、女性活躍推進に対する考え等についてお話いただきました。

 自ら管理職を目指した方、長年断り続けたものの最後は部門のために管理職となった方等、就任経緯はさまざまですが、管理職になって変化したこととして、「裁量権が有るため、本当にやりたい仕事をやりやすくなった」「視野が広がり、戦略的な思考力が身に付いた」、「上司の気持ちがわかり、フォロワーシップの重要性に気付いた」と語り、立場の変化からそれぞれ自身の成長を実感されたといいます。

リーダーシップスタイルは三者三様ではあるものの、部下の個性に合わせた指導や、その組織に必要な要素は何かを常に考え行動していく「状況対応型リーダーシップ」が重要であるという考えが共通していました。

パネルディスカッションの様子
株式会社大和総研 小松 優子さん「ディスカッションや1on1で部下とのコミュニケーションを大切にしていきたい」
株式会社日本HP 室屋 智子さん「部下が楽しく働けるようモチベーションを上げ、アシストしていきたい」
株式会社日本M&Aセンター 仲川 薫さん「部署やプロジェクトの目標に合わせたリーダーシップを発揮していきたい」

最後には、会場参加者からの質問にパネリスト3名が答えるとともに、参加者に向けメッセージを贈りました。
「できないことに長く悩むよりも、できることを着実にしていくことで、少しずつ未来が開けます」
「自分が進んできた道で、できたことを棚卸しして、自分自身を褒めて認めてあげてください。上に進むだけがキャリアではありません。横にも、場合によっては戻ることもできるので、自分らしいキャリアを築いてください」
「2007年から続くこの研修での学びやネットワークは、きっと将来のご自身の財産になります。数年後のみなさんの姿を楽しみにしています」

チームで「ビジネスリーダーインタビュー」に挑戦

次回は、参加企業の枠を超えて活動を広げます。「ビジネスリーダーインタビュー」と称し、グループごとで「この人にお話を聞きたい!」という方を決め自らアポイントを取り、ビジネスリーダーシップに関するインタビューを実施し、10月に開催予定の第2回(オンライン開催)でその内容を発表し合い、共有します。

 このフィールドワークを通じて新たな気づきを得て、自身のキャリアプランやリーダーシップモデルの構築に役立てていきます。